フェラーリ488GTB

公開 : 2015.05.14 12:48

フェラーリ ジャパンは、今年3月に開催されたジュネーブ・モーターショーで発表されたスモール・フェラーリのフラッグシップ・モデル、488GTBを5月14日、日本国内でも正式に発表し、受注を開始した。

この488GTBのネーミングは、V8エンジンの1シリンダーあたりのキャパシティが488ccであることに由来し、GTBはグランツーリスモ・ベルリネッタという308GTBなどにも使われるV8ミドシップ・フェラーリ伝統のネーミングである。

488GTBは、完全なニュー・モデルではなく458イタリア / 458スペチアーレのフェイスリフト・バージョンと見ることもできるが、エクステリアが大きく変更されたばかりでなく、何よりもそのパワー・ユニットがついにノーマル・アスピレーションを捨て、ターボ・ユニットになったことが最も大きな違いだ。また、この新しいターボ・ユニットは、カルフォルニアTのターボチャージャー・ユニットとは全くの別物とフェラーリはアナウンスしている。排気量はターボチャージャー化によってダウンサイジングしているものの、パワー、トルクは458スペチアーレを上回る値を得ているのだ。

エクステリア

基本シルエットは前モデルである458スペチアーレと同様ではあるが、単なるマイナーチェンジ・レベルの変更ではなく、ほとんどが一新された物といってよいほどそのイメージは大きく異なる。特に、サイドビューに見られる大型のエア・インテークは、スモール・フェラーリのルーツでもある308GTBに敬意を評したもので、ドアの後半部からインテーク部分までのラインは、スピリッターによって上下に分割されてはいるものの、308GTBのイメージを持つものだ。

フロントは2基のラジエーターにエアを送り込むためのデュアル・グリル・オープニングが特徴。また、エアロ・ダイナミクスに優れるダブル・フロント・スポイラーも装備される。センターの2つのパイロンは、ディフレクターとの組み合わせによって空気の流れをフラットなアンダーボディへと導く役目を持つ。フロント・フードには大きく切り込まれた2つのエア・アウトレットがデザインされるが、これはバンパー内の2つのベントからのラジエーターを通過した後の気流を効率よく吐き出す機能を持つ。

リアでは、エアロ・ダイナミクスに優れるブロウン・スポイラーと大きなエア・ベントが注目だ。ブロウン・スポイラーは、この488GTBで初めて採用されたソリューションで、エアはリア・スクリーンのベースにあるエア・インテークからバンパーを通して排出されるというもの。このブロウン・スポイラーは、リア・スポイラーの高さを上げることなく、ダウンフォースを増加させるというもの。しかもドラッグも低減するという。

更に巨大なリア・ディフューザーにはカーブ・フェンスが装備される。このディフューザー下部にあるフラップは、CPUで制御されるビークル・コントロール・システムと統合された可変フラップで、フラップと閉じてダウンフォースを増加させたり、フラップを開けてドラッグの低減を状況に応じてコントロールする。

これらエア・ダイナミクスに優れたボディは、フェラーリのロード・モデルとしては最高のCd値1.67をマークする。ダウンフォースは250km/hで325kgで、これは458スペチアーレに対して50%も向上している値だ。

ボディ・サイズは、全長×全幅×全高が4568x1952x1213mm。ホイールベースは2650mmだ。もちろん基本的にシャシーを受け継ぐためホイールベースのサイズは変わりないが、ボディ・サイズは全長が3mmほど短縮され、全幅が1mmほど大きい値になっている。全高は変更がない。また、トレッドはフロント1679mm、リア1647mmと、458スペチアーレと比較してそれぞれリアのみが15mmほど拡大されている。ちなみに、ボディ重量は80kgほど重くなった1370kgだ。

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