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2017.02.14

英国の化学会社、イネオスがオフロードEVを2020年までに製造

英国の大手化学会社、イネオスは、ランドローバー・ディフェンダーのハードコアな4×4という車両哲学を引き継ぐ妥協のないモデルを作る計画がある。そのためにいくつかの異なるパワートレインを試しているという。

イネオスは、ランドローバー・ディフェンダーのようなモデルで、ハイブリッドあるいはエレクトリック・パワートレインを搭載したモデルを作る用意があるとディレクターのトム・クロッティがAUTOCARに話した。2020年の製造開始を目標にし、年間15,000台の販売を目指すという。価格は、ライバルとなるディフェンダーの£25,000(360万円)程度を予定している。

イネオスは、ディフェンダーにインスピレーションを受けたモデルのビジョンを、妥協のない伝統的な4×4とし、アメリカ、サハラ以南のアフリカ、ヨーロッパを主な市場と考えているようだ。

デザインもパワートレインも決定されていないが、パワートレインについてはエレクトリック、ハイブリッドの両方を調査中であるとするとともに、オプションとしてディーゼル・ユニットを搭載することを明らかにしている。

また、クロッティは、モノコック構造でないシャシーを持ち、比較的ローテクなモデルになるとAUTOCARに話してくれた。

このイネオスの4×4についてクロッティは「非常に高品質で信頼性の高いモデル」になるとし、「現在、パワートレインについては検討中だが、エミッションのことを考えるとハイブリッドも十分に考慮できる。しかし、例えハイブリッドになったとしても目標とする価格は維持したい。また、完全なEVも可能性がある。現時点では、どのパワートレインも候補から外すことはしていない。」とコメントしている。

新しいモデルのために工場をゼロから建設するために必要な期間は3年と見ている。

また、そのオフローダーのネーミングについても現在、議論の真っ最中だという。

スタイルに関しては、ディフェンダーの精神を持っているものの、似たクルマではないとしている。そのデザインに関して、クロッティは「最新のSUVというよりは、旧式の非常に頑丈なオフローダーのイメージになる。」と語っている。

ちなみに、イネオスは1998年に創立された会社だが、そこからBP、BASF、UCBなど数多くのM&Aを行い、今では世界第5位の化学会社となっている。そして、イネオスは、いままで1台の車両も生産したことがないにもかかわらず、世界最大の自動車メーカーのひとつになると公言している。

プロジェクトは、ダーク・ハイルマンというイネオスでエンジニアリングとテクノロジーのトップを勤めた人間が舵を取る。現在ハイルマンは、イネオス・オートモティブの代表であり、「自動車の専門家」をリクルートしている最中だという。

ハイルマンは、「誰にとっても驚くようなプロジェクトに見えるかもしれないが、われわれの仕事は世界最高の4×4を作ることだ。すでにその計画はスタートを切っている。」と語った。

クロッティは、このプロジェクトにはリスクはあると認めた一方で、このプロジェクトが会社の全面的な支援をうけることも明らかにしている。

「自動車産業に携わってきていないわれわれが最高の4×4を作るなど、クレイジーなことだと思うかもしれない。もちろんリスクもある。しかし、われわれにはリクスを管理する能力がある。自動車産業ではないが、われわれは化学分野では生産者だ。そして生産者が何を望まれているかは知っている。それは高品質なプロダクトであることだ。」

創業者である億万長者、ジム・ラトクリフ(写真の人物)には、ディフェンダー・レプリカを作る計画もあったようだ。また、そのための調査も行っていると昨年6月にAUTOCARではレポートしている。

イネオスは、新しい車両を造り出すために「何百人単位」の人間をつぎ込む準備ができているとし、すでに工場の建設を手配している。また、同時にクロッティは、すでに幾つかの会社とパーツ供給についての交渉を多なっているという。

ラトクリフは、ディフェンダーの大のファンで、そのディフェンダーの精神を受け継ぐモデルを製造することに大賛成だという。

「これは素晴らしく刺激的なプロジェクトだ。われわれは最もピュアな4×4を造り、世界中の探検家、農家、そしてオフロード・ファンに届ける予定だ。」と語っている。

現在、工場の予定地を英国かヨーロッパで探しているという。

「私は旧いランドローバー・ディフェンダーの大ファンだ。そのオフロード能力には敬意を払っている。われわれの新しい4×4もその影響を受け継ぐと同時に、新しいモデルとして大きな進歩も遂げている。」とラトクリフ。

ジャガー・ランロドーバーは、ディフェンダーというネーミングに関しては、その権利を主張している。実際、昨年12月にカナダの会社が全天候型モデルにディフェンダーというネーミングを使おうとしたが、これを認めなかった。

その時に、ジャガー・ランドローバーの法務の責任者であるキース・ベンジャミンは、「ランドローバー・ディフェンダーは、ジャガー・ランドローバーの過去、現在、そして未来にわたってアイコン的ネーミングだ。われわれの事業の成功は、ユニークなデザインとエンジニアリングによるところが大きい。そして、それによって築き上げたブランドを守っていきたい。」とコメントしている。

イネオスはジャガー・ランドローバーに今回の計画を知らせたが、クロッティによれば2社の間に対立はなく、ジャガー・ランドローバーの反応は「中立」的だったという。

「言い争いもなく、非常に分別のある会談だった。」とクロッティは語っている。

 
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