ル・マン24時間 健闘の裏に、ブレンボ製ブレーキの活躍

2018.06.30

LMP1は無交換 GTEは交換

トヨタTS050ハイブリッドのようなハイブリッド車では別の問題も加わる。ブレンボのLMP1とF1の技術者であるジャンルカ・ゾンカはこう言う。「普通のクルマと違ってハイブリッドは(減速時に)エネルギーを回収するので、ブレーキング・レベルも頻繁に変化します。ですから、これを考慮したシステムが必要です」ブレーキはハイブリッドが故障した時にも動作しなければならないが、ゾンカは10ラップくらいしか持たないという。なぜなら「ハイブリッドが故障すれば、そんなにラップを続けたりしないでしょう?」

LMP1のブレーキはレースの初めから終わりまで無交換だ。32mm厚のディスクは4mm程度しか減らないが、26mm厚のパッドはおよそ16mmも摩耗する。ゾンカがブレンボでル・マンに参加するのは今月初めのレースで19回目だが、LMP1のクルマがブレーキ交換なしで完走した最初のル・マンを思い出す。1999年のことだ。「この10年で大きな進歩がありました」と彼は言う。

GTEのチームはブレーキ交換をする必要はないが(無交換が初めて実現したのは2016年である)、ほとんどのチームが今でも半分くらい走ったところでブレーキ交換する。多くは戦術的な理由である。鋳鉄製のディスクは24時間走った後でも1mmくらいしか減っていない。パッドのほうが問題で、29mmあったものが10mmくらいにまで摩耗する。トップレベルのチームはブレーキシステム全体を30秒ほどで交換できるので、ドライバー交代のときに行えば時間を無駄にしないのだ。

「ドライバーやチームによっては、レースの後半を新しいブレーキで戦いたいのです」とゾンカは言う。「GTEではしばしば接戦になるので、その場合に備えておきたいですよ」

なんといっても、可能な限り早く止まるというブレーキの能力に自信を持てれば、ドライバーは自分の仕事を遂行することができる。可能な限り早く走るという仕事だ。

 
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