ポルシェ919エボ ニュルブリンク最速ラップの裏側 35年ぶりの記録更新

2018.07.16

記録達成の秘密 ベロフの偉大さは変わらず

ニュルブルクリンクのことを知っていれば、シュヴェーデンクロイツを322km/hで通過したり、フクスルーレで再び322km/hに到達するなど、尋常ではないことだと理解してもらえるだろう。

他にもこのタイムを達成するために必要だったものがある。チームは、919エボが完成していないにもかかわらず、1月にコースを予約したが、結局、路面温度が上がりすぎるために、タイムアタックの時間は90分に限定された。さらに、ミシュラン製スリックのライフは非常に短く、タイヤを温めるためにウォーミングラップを行うと、アタックの周回を行う前にグリップが失われてしまうために、ベルンハルトはUターンを繰り返しながら、コースを逆走する必要があった。そして、タイトコーナー向けにステアリングのアシスト量を2倍にするため、パワステ用ポンプまで追加設置されていたのだ。


では、これらの事実は何を意味するのだろう? 919エボはいかなるレースのレギュレーションにも合致しておらず、このタイムは他の車両と争うなかで記録されたものではない。これまでの記録は、1983年に行われた1000km耐久レースの予選で、ノーマルのポルシェ956に乗ったステファン・ベロフが達成したものであり、今回の新たな記録は、かつての偉業を改めてわれわれに思い起こさせてくれる。ベルンハルトも同じ思いだ。

だからこそ、ベロフの記録は依然として重要であり、これからも残し続ける価値がある。しかし、今回の新記録は、素晴らしい能力をもつチームが成し遂げた成果であり、ベルンハルトが記録をつくった周回は、モータースポーツの歴史において、もっとも印象的なもののひとつだといえる。この記録を破るものがいるとすれば、それが誰で、どんなマシンに乗っているかなど、とても想像できない。

 
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