フォード・フォーカス vs フォルクスワーゲン・ゴルフ

公開 : 2014.11.23 23:50  更新 : 2017.05.29 19:32

結論を出すときに ’お互いが近すぎて、勝敗を決めかねる’ などといった言い逃れをしたくないだけに、今回のテストはほんとうに、優劣を見出すのに苦労した。

世間の家族のあいだで絶大なる支持率を誇る7代目フォルクスワーゲン・ゴルフと、3代目フォード・フォーカス。つい最近改良を受けた後者がどのようにして王者奪還を試みるのかを、何はともあれ、見ていくことにしよう。

実はちょうど2年前、ゴルフVIIの初期モデル(左ハンドル)と、フォーカスを含むその他のライバルを突き合わせたことがあった。その際はゴルフの圧勝。ライバルたちになす術はなく、あれよあれよという間にゴルフがチャンピオン・ベルトを持ち帰ったのだった。

2年後の現在。苦杯をなめたフォーカスに改良が加えられた、という知らせを聞き、ならばもう一度ということになったのだ。よってフォーカスは左ハンドル仕様なのだけれど、再びチャンピオンの座を取り戻すかどうかをじっくりと見ていくことにする。

1位を決めるためだけにあるこの戦いなので、他のライバルたちは敢えて呼ばないことにした。アウディA3マツダ3、マイナーチェンジ後のボルボV40なども実力があるにはあるが、クラストップを決めるとなれば、残念ながら招集する必要はないと判断したからだ。

ところで ’ニュー’ フォーカスと名乗るからには、どこが新しくなっているのだろう? まず一目見て ’アストン顔’ になっているのはお分かりいただけるだろう。その他にもエクステリアの細かい部分が少しずつ変更を受けているようだ。

インテリアは更に大きく変わっており、マイナーチェンジ前のフォーカスでは常に批判を浴びせられていた雑多なレイアウトは、扱いやすいものに取ってかわった。質感も高まったおかげで、以前ほど責められることもなさそうだ。

下半身にも改良が加えられている。サスペンションの機構を見直すことで、シャシー自体の動きを小さくし、コーナリング時に軌道を保つために忙しなくステアリングを微調整することも少なくなったのだそう。ハッチバック勢のなかで一番運転が楽しいクルマであると言わしめたフォーカスの美点が失われていないのであれば、理論的には正しいことをしたと言えるだろう。

ボンネットの下には他メーカーがそうするように、1.6ℓから1.5ℓにダウンサイズされたディーゼルがおさまり、その他にもレンジを代表する2.0ℓ版が用意される。

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