そろそろ準備したい冬タイヤ ダンロップの新型スタッドレス『ウインターマックス・アイスプロ』は氷上性能特化型で勝負【タイヤの達人が解析】

公開 : 2026.09.27 07:45

ダンロップから、新型スタッドレスタイヤ『ウインターマックス・アイスプロ』が発売されました。名前にアイスプロを掲げているとおり、氷上性能に力を入れて開発されているのが特徴です。タイヤの達人、斎藤聡が解析します。

ゴムの踏ん張る力を大きくして密着状態を維持

ダンロップから、新型スタッドレスタイヤ『ウインターマックス・アイスプロ』が発売された。名前にアイスプロを掲げているとおり、氷上性能に特に力を入れて開発されているのが特徴だ。

しかもアイス性能の振り切り具合が際立っている。

ダンロップから発売された、新型スタッドレスタイヤ『ウインターマックス・アイスプロ』。
ダンロップから発売された、新型スタッドレスタイヤ『ウインターマックス・アイスプロ』。    田中秀宣

開発コンセプトに、氷上性能とライフ性能の間にある背反関係を取り上げ、『相反する性能を犠牲にすることで、より特化した性能を持たせることができる』と解説を入れているほど。いかに氷上性能にこだわってこのスタッドレスタイヤを開発したのかが伺える。

ダンロップでは従来、タイヤと氷の間の水膜を除水する方法として、撥水を採用してきた。これは『トレッド面で水を弾き、氷の路面との密着を図る』というメカニズムだったが、新型では『ブロックに刻まれたサイプが吸水効果を発揮し水膜を取り除く、踏ん張り吸水ゴム』が新たに採用された。

これは、低温下でも柔軟性を維持し、大きな力が加わっても踏ん張りを発揮する、低温踏ん張り剤を配合したコンパウンド。ゴムの踏ん張る力を大きくすることによって密着状態を維持して、グリップ+踏ん張る力を引き出すというものだ。

小さな変形には柔軟に、大きな変形には剛性を発揮

トレッドデザインは3本の太溝+1本の中細溝を基調としたブロックパターンで、トレッド両サイドのショルダー部分に大型ブロック、センター部分にひし形のブロックが整然と並ぶ、一見するとシンプルなトレッドデザインとなっている。

しかしよく観察すると、全てのブロックが細い溝で2分割されている。また、ブロックに刻まれたサイプは、ブロックを左右に貫通しているものは少なく、片側だけ、あるいは未貫通のサイプが多く配置されている。

トレッドデザインは3本の太溝+1本の中細溝を基調としたブロックパターン。
トレッドデザインは3本の太溝+1本の中細溝を基調としたブロックパターン。    田中秀宣

小さな変形には柔軟に、大きな変形には剛性を発揮するデザインとなっており、踏ん張り吸水ゴムとのマッチングが図られている。

撥水から吸水へ、グリップメカニズムの変更に伴い、タイヤプロファイル(≒断面形状)も見直されている。以前から販売され、今後も併売される『ウインター・マックス03』の全体に丸みを帯びた断面形状から、トレッドセンター(≒接地面)をフラット形状にして接地面積を増やす形状に変更された。

これらの結果、氷上制動性能で25%、氷上コーナリング性能で9%性能アップを実現している。また、ゴムの硬化を抑制して性能を長く持続する『うるおいポリマー』(≒液状ファルネセンゴム)によって、経年変化による性能低下を最小限に抑えているという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    斎藤聡

    1961年生まれ。学生時代に自動車雑誌アルバイト漬けの毎日を過ごしたのち、自動車雑誌編集部を経てモータージャーナリストとして独立。クルマを操ることの面白さを知り、以来研鑽の日々。守備範囲はEVから1000馬力オーバーのチューニングカーまで。クルマを走らせるうちにタイヤの重要性を痛感。積極的にタイヤの試乗を行っている。その一方、某メーカー系ドライビングスクールインストラクターとしての経験は都合30年ほど。
  • 撮影

    田中秀宣

    Hidenobu Tanaka

    写真が好きで、車が好きで、こんな仕事をやっています。
    趣味車は89年式デルタ・インテグラーレ。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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