フォルクスワーゲン、EV版『ゴルフ』開発を一時中断 「資金不足」とCEO それでも2030年代初頭に導入目指す
公開 : 2026.11.04 07:25
フォルクスワーゲンは「開発に資金を割く余裕がない」として、新型EV『IDゴルフ』の開発を凍結しました。中止ではなく、一時的な中断だとしています。巨額の損失に苦しむ中、それでも2030年代初頭に導入する計画です。
重要な『IDゴルフ』発売延期へ
フォルクスワーゲンは、財務的な圧力により将来のモデル開発への支出を削減せざるを得なくなったため、新型EV『IDゴルフ(ID.Golf)』の開発作業を一時停止した。
IDゴルフはフォルクスワーゲンにとって最も重要なEVの1つで、2030年代初頭に本社のあるドイツ・ヴォルフスブルクで生産開始される予定だった。

「現時点では、この開発に資金を割く余裕がない」と、フォルクスワーゲンのブランドCEOトーマス・シェーファー氏は、ドイツの放送局NDRが入手した社内インタビューで述べている。
シェーファー氏は、開発の一時停止が取締役会で合意されたことを認めたが、EV版ゴルフが中止されたわけではないと強調した。「中止ではなく、一時停止」だとしている。
公式声明の中で、フォルクスワーゲンの財務責任者デビッド・パウエルズ氏は次のように述べた。
「市場環境は依然として極めて厳しい状況にあり、特別項目が業績を圧迫しています。そのため、当社が選んだ方針を体系的に継続し、優先順位をさらに明確化することが、これまで以上に重要となっています」
「当社は、高いレベルの投資規律を維持しつつ、コスト基盤の改善と運転資金の最適化を進めています」
「したがって、具体的な措置の1つとして、必要な投資を確実に確保できるまで、フォルクスワーゲンブランドにおける将来のIDゴルフの開発作業を一時的に中断します」
歴代ゴルフのデザイン要素を継承
この決定により、IDゴルフの発売時期について新たな疑問が生じている。IDゴルフは、新しい800V対応のスケーラブル・システム・プラットフォーム(SSP)の設計変更や、それに関連するソフトウェア開発の影響ですでに発売が延期されていた。
当初は2028年または2029年の発売が予定されていたが、現在では2030年代初頭に導入される計画となっている。

フォルクスワーゲンの従業員代表委員会は、IDゴルフの開発が一時停止されたとしても、導入を遅らせる必要はないとし、失われた開発時間は取り戻せると主張している。
IDゴルフは、EV版『Tロック』に続き、フォルクスワーゲン・グループの新世代モデル向けのSSPプラットフォームを採用する予定だ。
AUTOCARが以前報じた通り、IDゴルフは歴代モデルでお馴染みのデザイン要素と、フォルクスワーゲンが米国のEVメーカー、リビアンとの合弁事業を通じて開発した新ソフトウェアを採用する。GTIやRといった高性能バージョンも計画されており、現行のガソリンエンジン搭載ゴルフの生産は、ドイツのヴォルフスブルク工場からメキシコのプエブラ工場へ移管される予定だ。
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