新型トヨタ・ランドクルーザーへ英国試乗 丸目か角目か 「レトロ」でも「モダン」 質感は格段に改善!

公開 : 2024.04.05 19:05

これぞ望まれている車内環境 3列目も可

高めのキャビンに登ると、遥かにモダンになったインテリアが印象的。安っぽさは抑えられ、実用的な造形で仕立てられている。

ダッシュボード中央には12.3インチのタッチモニターが据えられるが、エアコンなどの主要な車載機能には、実際に押せるハードボタンが残された。手袋をしていても扱え、悪路で揺れていても誤操作の可能性は低い。

トヨタ・ランドクルーザー 250(欧州仕様)
トヨタランドクルーザー 250(欧州仕様)

ちゃんと前後に動く、シフトセレクターもある。これが、本当に望まれている車内環境ではないだろうか。

トヨタの車線維持支援システムは、他メーカーのものより機能的だが、標識認識機能は少々煩わしい。タッチモニターではなく、スイッチで簡単にオン/オフできても良かった。ドライバー監視機能は、試乗車ではオフになっていたようだ。

インフォテインメント・システム自体は、トヨタの一般的なもの。スマートフォンとの連携機能を実装するが、本来のシステムとの切り替えが面倒に感じた。

メーターパネルも12.3インチのモニター式で、表示は鮮明で判読しやすい。表示される情報は変更可能だが、これも少し手間ではある。

全長は4920mmと先代より長くなり、車内空間は拡大。2列目にゆとりが生まれただけでなく、オプションで、子ども向きの3列目も追加できるようになった。ただし、3列目が使える状態では、荷室は最小限しか残らない。

テールゲートは、横開きではなく上開きに。ガラス部分だけでも開閉でき、狭い場所でも荷物を出し入れできる。スペアタイヤは、リアのフロア下にぶら下がっている。

悪路性能は当然 オンロードマナーは格段に改善

確認はこのくらいにして、まずはオフロードコースから。四輪駆動システムをローレンジにし、マッド・モードを選択。急勾配などで低い速度を自動的に保ってくれる、クロール・コントロールが有効になる。最高6km/hまで、1km/h単位で変更可能だ。

この状態であれば、困難な起伏も深い水たまりも朝飯前。普通に運転しているだけで、ランドクルーザーはスルスルと先へ進んでいく。簡単すぎて、シリアスなオフロード・マニアには、物足りなく感じるかもしれない。

トヨタ・ランドクルーザー 250(欧州仕様)
トヨタ・ランドクルーザー 250(欧州仕様)

ただし、今回のコースはそこまで難関というわけでもなかった。ランドローバーディフェンダーやイネオス・グレネーダーとの、悪路性能比較も面白そうだ。トヨタだから信頼性は間違いないはずで、牽引重量は最大3500kgまで対応する。

他方、オンロードマナーはランドクルーザーの捉え方次第。実務的な4気筒ディーゼルターボにラダーフレームというパッケージングだから、ディフェンダー並みの上質さは期待しないで欲しい。

それでも、快適性は格段に改善した。8速ATは最新ユニットとしては滑りが多い印象ながら、お茶を濁すほどではない。変速をスムーズにこなしてくれる。エンジンも、加速時に若干の振動が伝わってくるが、だいぶ静かになっている。

加速力はほどほど。0-100km/hの数字はまだ明らかになっていないが、10秒は切らないだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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