新型トヨタ・ランドクルーザーへ英国試乗 丸目か角目か 「レトロ」でも「モダン」 質感は格段に改善!

公開 : 2024.04.05 19:05

オンロードマナーを向上したと主張される、新型ランドクルーザー レトロな雰囲気でもしっかりモダンな見た目 ハイラックスと同じ4気筒ディーゼル 英国編集部が評価

レトロな雰囲気でもしっかりモダン

トヨタほど、幅広いラインナップを有するメーカーは少ない。小さなヤリスから、6速MTでFRのスープラまで、1つのディーラーで選べる。お望みなら、ラダーフレームにリジットアクスルを組んだ、本格的なオフローダーも。

ランドクルーザーにも、複数の設定がある。豪華なSUVの300系から無骨で従来的な70系まで、多様なニーズに応えている。4.5L V8ディーゼルターボをMTで走らせる例もあり、これには1度試乗してみたい。

トヨタ・ランドクルーザー 250(欧州仕様)
トヨタ・ランドクルーザー 250(欧州仕様)

英国で売られているランドクルーザーは、プラドと呼ばれる250系のみ。バッテリーEVでもハイブリッドでもないが、新しい世代へ交代を果たした。

パワートレインは4気筒ディーゼルで、先代の150系と基本的に同じ。しかし、ご紹介したい特徴には事欠かない。

まずはスタイリング。レトロな雰囲気を与えつつ、しっかりモダン。多くの人が好ましく感じる見た目ではないだろうか。オフローダーの場合、ボディの四隅を把握しやすいカタチは、理に適ってもいる。

面白い設定なのが、ヘッドライトを選べること。筆者は四角い方が好みだったが、編集スタッフは丸い方が好きらしい。

バンパーは分割式だから、傷がついた部分だけ交換可能。ボディパネルはシェルを守る設計で、フラットなボンネットは、前端を理解しやすく接触自体も避けやすい。

フロントガラスは従来より直立。空力特性ではマイナスでも、運転席からの視認性ではプラスだ。サイドウインドウのラインは、従来から30mm低くなった。

ハイラックスと同じ2.8L 4気筒ディーゼルターボ

ボンネットに収まるエンジンは、トヨタ・ハイラックスでお馴染みの、2.8L 4気筒ディーゼルターボ。新型のターボチャージャーを獲得し、トルクの山が広くなるよう調整を受けている。2025年には、マイルド・ハイブリッドも追加されるらしい。

トランスミッションは、新しいトルクコンバーター式の8速オートマティック。ロックアップ性を高め、ダイレクト感を強めている。計画されていた6速マニュアルは、日の目を見ることがなかった。

トヨタ・ランドクルーザー 250(欧州仕様)
トヨタ・ランドクルーザー 250(欧州仕様)

パワーステアリングは、油圧式から電動式に。油圧ポンプのロスがなくなるぶん、燃費を伸ばせる。開発時の目標だった、オンロードマナーの向上にも貢献している。

ボディが別体のラダーフレームは継投。組み立てには11.9mぶんの接着剤が塗られ、溶接ポイントは84か所も増えた。ねじり剛性は、50%高くなったという。

サスペンションも改良を受けているが、フロントがダブルウィッシュボーン式、リアがリジットアクスルという構成はそのまま。防音材やシーリングの見直しなどで、走行時の洗練性を高めている。アクティブ・ノイズキャンセリング機能も実装する。

悪路に備えて、リアのトルセン式リミテッドスリップ・デフをオプション設定。フロントのアンチロールバーの切り離し機構も装備できる。もちろん、四輪駆動だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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