【リアシート設定で更に911の対抗馬へ?】 新型メルセデスAMG GTクーペ 4LのV8ツインターボで武装

公開 : 2024.04.14 20:05

シャーシ

AMGアクティブ・ライド・コントロール・サスペンションをはじめ、電子制御AMGリミテッド・スリップ・デフやリア・アクスルステアリングなど、数々の高度なコンポーネントにより、スーパースポーツに相応しい極めてダイナミックな走行性能を実現。同時にそれらは日常での走行にも高い快適性をもたらすと彼らは述べた。

5リンク式サスペンション

5本のコントロールアームによって各ホイールを常に最適にガイドすることで、接地面積を最大限に確保する革新的な5リンク式サスペンションを前後ともに採用。

新型「メルセデスAMG GTクーペ」
新型「メルセデスAMG GTクーペ」

バネ下重量の軽減のため、コントロールアーム/ステアリングナックル/ホイールキャリアは鍛造アルミニウム製となっている。

大きめのキャンバー角によって高いコーナリングスピードを実現するばかりではなく、限界域においても優れた接地性を誇り、同時にレーンチェンジや強い横風、路面の凹凸などによる荷重の変化に対するレスポンスは穏やかに抑えられる。ステアリング機構への影響を最小限に抑えた加速が可能なため、走行安定性ばかりではなく快適性にも寄与する。

AMGアクティブ・ライド・コントロール・サスペンション

メルセデスAMG GTクーペ専用に進化させた油圧式のAMGアクティブ・ライド・コントロール・サスペンションを標準装備。電動機械式の連続可変式電子制御スタビライザーにより、コーナリングや車線変更時のロールをより効果的に抑制することで、メルセデスAMGならではの俊敏かつ正確なハンドリング特性をもたらす。

また、液体封入ダンパー内にバルブを2個設けた電子制御ダンピングシステムにより、伸び側と縮み側の減衰力を独立して制御。走行状況や路面状況を1秒間に最大1000回分析し、スタビライザーの設定を瞬時にかつ正確に制御することで、従来の油圧制御式システムに比べて極めて高速なレスポンスが得られる。

これにより日常走行では、路面の片側に凹凸があっても個別に制御されるため、快適性も向上する。

フロントアクスルリフトシステム

AMGアクティブ・ライド・コントロール・サスペンションの油圧制御システムを利用した、フロントアクスルリフトシステムを標準装備。フロントエンドを最大30mm上昇させることで、駐車場の出入り口や踏切の段差などにおいてフロントバンパーをダメージから守る。

この操作はメディアディスプレイで行うが、GPSによって作動させる地点を記憶させることも可能となる。

電子制御 AMG リミテッド・スリップ・デフ

リアアクスルに電子制御のAMGリミテッド・スリップ・デフを標準装備。あらゆる走行状況において、強大なトラクションによる走行安定性はもちろん、より俊敏かつ正確なハンドリングを実現。

高速レーンチェンジやスラロームにおける走行安定性が向上するほか、市街地などにおける快適な乗り心地の実現にも貢献。また、雨天時や雪道などの悪条件下での安定性向上にも寄与する。

AMG強化ブレーキシステム

優れた制動力と正確なコントロールを可能にするAMG強化ブレーキシステムを搭載。軽量化とさらなる冷却効率を実現すると同時に、ウェットコンディションでのレスポンスが向上した。

リア・アクスルステアリング

アジリティと走行安定性を向上させるリア・アクスルステアリングを標準装備。

100km/h以下での走行時は、後輪が前輪と逆方向に最大2.5°に操舵され、これによりコーナリング時の回頭性を高めて卓越した俊敏さを実現。その他のメリットとしては、方向転換時や駐車時など日常の走行場面における機動性の向上や回転半径が小さくなることなどが挙げられる。

100km/hを超えると、後輪は前輪と同じ向きに舵角が与えられ(最大舵角0.7度)ることによりホイールベースを長くすることと同じ効果が生じるため、操縦安定性が高まる。同時に、方向を変える際、後輪に働く横力がはるかに速く高まるようになり、ステアリング操作に対するレスポンスが素早くなるメリットがある。

リア・アクスルステアリングはコーナリング性能を高めるだけでなく、限界域でのコントロールをより容易なものとするため、突然の回避操作でもドライバーをアシストすることでアクティブセーフティを強化した。

リア・アクスルステアリングのレスポンスは、AMGダイナミックセレクトのドライブモードによっても変わり、例えば「スポーツ+」モードでは、低速でいっそう敏捷でダイレクトなレスポンスとなるという。

AMGダイナミック・セレクト

ドライブ/トランスミッション/エグゾーストシステム/サスペンションなどの設定を統合制御するAMGダイナミック・セレクトを標準装備。「スリップリー」/「コンフォート」/「スポーツ」/「スポーツ+」/「レース」/「インディヴィジュアル」の計6つの走行モードによって、車両の特性を瞬時に切り替えることができる。

これにより、モードを切り替えるだけで、快適なクルージングからスポーツ走行まで、走行シーンに合わせて様々なキャラクターを味わうことが可能となった。

例えば「スポーツ」/「スポーツ+」モードではエンジンやトランスミッションの反応、ステアリングやサスペンションの特性がより俊敏となり、メルセデスAMGならではのドライビングプレジャーを生み出す。

また「レース」モードでは全てのパラメーターが最大のパフォーマンスを発揮するように設定され、サーキット走行のための卓越したドライビングダイナミクスを生み出すことに加え、前後トルク配分が0:100の完全なFR状態で走行するエモーショナルなドリフトモードも利用可能となる。

さらにAMGダイナミック・セレクトの機能の1つとして、AMGダイナミクスを搭載。

AMGダイナミック・セレクトで選択したモードに応じて、ESP/4マティック+/電子制御リミテッド・スリップ・デフの設定が切り替わり「ベーシック」/「アドバンスト」/「プロ」/「マスター」の4つのモードが備わり、走行状況や好みに応じてハンドリング特性をより幅広く調節することができるため、走行安定性とドライビングダイナミクスのバランスを思いのままに操ることができるという。

エアロダイナミクス

メルセデスAMGのモータースポーツの技術を活用し、空気抵抗と揚力の低減をバランスよく実現。

ドライバビリティや高速走行時の走行安定性が向上するとともに、優れた効率が得られ、ウインドノイズも低いレベルに抑えられた。また、それらを実現するためのアクティブに作動するコンポーネントはエクステリアデザインにシームレスに統合されている。

エアパネル

新型「メルセデスAMG GTクーペ」
新型「メルセデスAMG GTクーペ」

フロントグリルとフロントエプロンのエアインテーク内に空力性能と冷却性能を両立する2ピースのエアパネルを採用。電子制御式のルーバーが走行状況に応じて電気モーターにより瞬時に開閉。

通常時は閉じることで空気抵抗を少なくするとともに、フロントに働く揚力を低減する。コンポーネントが一定の温度に達し、冷却の必要が生じた際には、ルーバーを開くことで効果的な冷却を行う。

リトラクタブルリアスポイラー

5ステージで可変するリトラクタブルリアスポイラーを標準装備。車速や重力加速度など様々なパラメーターを考慮して5段階で角度を調節。ダウンフォースを効果的に高めることで高速走行時の安定性を向上させ、ドライビングダイナミクスを最大化する。

アクティブ・エアロダイナミクス・システム

走行安定性を高めるアクティブ・エアロダイナミクス・システムを標準装備。

AMGダイナミクスの設定が「ベーシック」/「アドバンスト」かつ時速100km以上で走行した際、エンジン前方のアンダーボディに配置された約2kgの超軽量カーボンファイバーパーツが約40mm下降し、ベンチュリ効果によって車体下部への空気の流れを加速させることでフロントアクスル部のリフトを時速250km走行時で約50kg抑制するという。

効果的にダウンフォースを発生させることでコーナリング時や高速走行時の操縦安定性を高め、空気の流れを制御することでブレーキの冷却効果も高まるため、スポーツ走行時も安定したブレーキングパワーを維持できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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