マツダ2 SkyActiv-D 1.5

公開 : 2015.03.27 23:40　　更新 : 2017.05.29 19:13

’エンスージァストを完全に虜にする’ と言えば、少し言いすぎになってしまうが、先代に見られた活発なハンドリング・キャラクターは確実に受け継がれている。

反面、新式の電気機械式ステアリングは先代よりも大いにダイレクトになっているものの、フィードバックがリアリティに欠ける点は否定しない。

しかしコーナーでの粘り強さとボディ・バランスの均整はさすがはマツダである。安心感とスリルのすり合わせが実に巧い。

ただ、敢えて不満を述べるとすればダンパーの設定をもう少し安定方向に振ってほしいところ。標準で複筒式のショックが奢られているのだが、テスト中、路面からの入力が大きくなると安定感が損なわれやすい傾向にあった。

またロード・ノイズがキャビンに伝わってしまいやすいとも感じた。

■「買い」か?

フォード・フィエスタ、フォルクスワーゲン・ポロ、ルノー・クリオなど、動力性能と経済性、快適性を見事に両立させた小型車を見つけるに、さほど苦労することはない。

ただマツダ2のように、現実的な使用において満足のいくディーゼル・ユニットを搭載した、経済性豊かな小型車を見つけることは実はむずかしい。

これよりもさらに大きなマツダ車同様に、マツダは多彩かつ現実的に優秀なクルマをつくりあげた。そのうえドキドキできる味わいがあるなんて、とても素敵なことではあるまいか。

小さなボディに、これほどの実力を与えたマツダをわれわれはリスペクトする。いまやマツダ2の存在を無視することはナンセンスなことなのだ。

(マット・ソーンダース)