1000km近い取材で分かった『フォルクスワーゲンTクロス』ベストセラーの理由 本国デビュー7年であらゆる面が熟成 長距離でとにかく疲れない!

公開 : 2026.10.15 12:05

快適な走りの要はシートにあり?

なぜこれほど疲れないのか? と考えた時、とりあえず目に入ったのはシート。試乗車にはRライン専用のスポーツシートが備わっていたのだが、これが実によかった。

表皮は身体に触れないサイドと座面背面の中央部がざっくりとして、通気性のいい布地。周囲の縁取りは擦れに強い合皮、さらに座面背面の端っこにホールド性の高いアルカンターラが配されている。

試乗車にはRライン専用のスポーツシートが備わっていた。
試乗車にはRライン専用のスポーツシートが備わっていた。    フォルクスワーゲン・ジャパン

サイドサポートの立ち上がりも絶妙で、ホールド性と乗降性をギリギリの高さで両立させている。背中やお尻がズレることなく、いつまででも腰かけていられる。こういうシートがあるからこそ快適なロングドライブが成立するのだ。

以前、国産車を開発する人に聞いたのは、シートはいくらでもコストをかけたり、引いたりできる部分だという。そしてTクロスのそれは、表皮材の種類だけでもしっかりコストが掛かった逸品だとわかるのである。

遠出を終えて自宅に戻ってくると、今度はボディのコンパクトさが際立って感じられた。感覚的には2世代目のゴルフくらい? と思って調べてみたら、それよりも全長で150mm、全幅で120mmほど大きかった。

といってもドアなどが分厚くなっただけで、室内の広さは似たようなものだろう。ともあれ日本の普段使いにはこのサイズがベストといえ、それでいてロングドライブも完璧にこなして見せる。Tクロスがベストセラーとなった理由が、これまで以上によくわかった取材となった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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