スマート新型『#2』発表 小型シティカーの原点に回帰、EV航続距離は先代の倍に 英国価格は1万7900ポンドから

公開 : 2026.10.15 17:05

スマートが新型EV「#2」をパリ・モーターショーで発表しました。先代の『EQフォーツー』と同等のサイズながら、航続距離は2倍に向上。プレミアム感のある内外装と「スポーティなハンドリング」を実現しています。

フォーツーと同等のサイズ

スマートは、初代『フォーツー』の精神を受け継ぐ新型EV『#2(ハッシュタグ2)』を発表した。来年、2万ポンド(約420万円)未満の価格帯での発売を目指している。

初代モデルがパリ・モーターショーで発表されてから28年を経て、新型#2は同じモーターショーで量産モデルとしてお披露目された。専用開発された新プラットフォームを採用し、スマートブランドを小型車の原点へと回帰させるものだ。

パリ・モーターショーで公開されたスマート#2
パリ・モーターショーで公開されたスマート#2    AUTOCAR

現在のスマートはメルセデス・ベンツとジーリー(吉利汽車)の合弁企業であり、車両デザインはドイツで行われるが、生産はジーリーのプラットフォームを用いて中国で行われている。モデルラインナップを拡大し、大型のSUVも展開しているが、かねてよりシティカー(小型のAセグメント車)のルーツを捨てないと公言してきた。

#2の全長はわずか2746mmで、2024年に生産終了した第3世代フォーツーよりもわずかに短い。スタイリングには初代モデルの影響が色濃く反映されており、最小回転円(直径)はわずか6.95mで、先代モデルと同等だ。

乗り心地やハンドリングも向上

#2は最高出力80psの電気モーターをリアに搭載し、後輪駆動とした。35.8kWhのリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーを搭載し、WLTPサイクルの公称航続距離は290km、最大65kWでの充電が可能だ。また、車両から外部への給電機能も備えている。

以前のスマートEQフォーツーは同等の出力を備えるものの、バッテリー容量は17.6kWhで、航続距離はわずか約145kmにとどまった。

パリ・モーターショーで公開されたスマート#2
パリ・モーターショーで公開されたスマート#2    AUTOCAR

スマートによると、#2専用に「エレクトリック・コンパクト・アーキテクチャー」と呼ばれるプラットフォームを開発したという。5リンク式リアサスペンションを採用し、市街地での乗り心地を向上させると同時に、「よりスポーティな」ハンドリングも実現できるとしている。

新型モデルには、高張力鋼板を78%使用したボディ構造「トリディオン・セル・エボ」の次世代バージョンが採用されている。また、アダプティブ・クルーズ・コントロール、ハイウェイアシスト、LEDヘッドライトが標準装備となる。

ライバルはシトロエン2CV

室内は2人乗りでベンチシートを採用し、ダッシュボードには10.1インチのセンタータッチスクリーンと8.8インチのデジタルドライバーディスプレイが組み合わされる。また、小型ガジェットを取り付けられる「スマートピラー」があり、305Lという大容量のトランクには、荷物の出し入れを容易にするユニークな分割式テールゲートが採用されている。

#2は発売当初、3種類のグレードで展開される。ベースグレードの『ピュア』は15インチのホイールを装着し、英国価格は1万7900ポンド(約370万円)からとなる予定だ。ルノー・トゥインゴや新型シトロエン2CVといったEVモデルと競合することになるが、それらはいずれも5人乗りだ。

パリ・モーターショーで公開されたスマート#2
パリ・モーターショーで公開されたスマート#2    AUTOCAR

『プレミアム』グレードには、11kWのAC充電機能、16インチホイール、シートヒーター、ガラスルーフ、ゼンハイザー製オーディオシステムが追加される。発売記念の『クチュール・エディション』は999台限定で、専用のホワイト塗装、ゴールドのルーフ、シリアルナンバー入りのインテリアバッジを特徴とする。

予約受付は2027年初頭に開始される予定で、英国での正式な価格設定は後日発表される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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