フォルクスワーゲン、車種削減は「自然な移行」で段階的に 2035年の内燃機関廃止が理由 EV化に伴うラインナップ縮小

公開 : 2026.10.19 07:25

大規模な再編を進めるフォルクスワーゲンは、電動化プロセスの一環として車種数やバリエーションを約半分にまで削減する方針です。2035年の欧州の内燃機関廃止をきっかけに、ラインナップを縮小していくとのこと。

収益性の高いラインナップへ再編

フォルクスワーゲンのブランドCEOであるトーマス・シェーファー氏によると、今後の戦略では体系的に多数のモデルを廃止するのではなく、「自然な移行」を通じてラインナップを縮小していく方針だという。

フォルクスワーゲン・グループは現在、大規模な事業再編を進めており、グループ全体の車種数とバリエーションを約半分に削減すると発表している。

フォルクスワーゲンは電動化とともに車種数の削減を進める。
フォルクスワーゲンは電動化とともに車種数の削減を進める。

10月12日にフランスで開幕したパリ・モーターショーで、これがフォルクスワーゲンブランドに具体的にどのような影響を与えるか尋ねられたシェーファー氏は、次のように答えた。

「この議論を始めた主な理由は、2035年に欧州で内燃機関が廃止されることにあります。2035年以降、『ポロ』と『IDポロ』、あるいは『Tクロス』と『IDクロス』が同時に存在することはなくなります。したがって、自動的に車種数は減少することになるのです」

「わたし達は、2035年における(フォルクスワーゲンにとっての)理想的なラインナップとは何か、また(車両の)サイズなどについても検討を進めてきました。次に、(きょうだいブランドの)スコダやクプラについても同様の検討を行いました。これらすべてを整合させた結果、2035年に向けた最適なラインナップが導き出されました。その規模は従来の半分です。これは偶然ではなく、自然な移行であり、最も収益性の高い製品へとラインナップを再編した結果なのです」

「同じ場所で魚を釣る」ことは避ける

グループ戦略の一環として、各ブランド、特にフォルクスワーゲン、スコダ、クプラの間でより緊密な連携を図る方針だ。これら3ブランドはいずれも、シェーファー氏が率いる「コアグループ」に属している。

同氏は、将来的にはモデルを「シナジーグループ」で管理し、「全員が同時に同じ場所で魚を釣るような状態」を避けるようにすると説明した。

フォルクスワーゲンIDポロ
フォルクスワーゲンIDポロ

ただし、複数のブランドから同じカテゴリーの車両を展開することをやめるわけではない。そのような場合には開発プロジェクトをグループ化し、特定のブランドに主導させることになる。

この新戦略の一例としてまもなく登場するのが、小型EVコンセプト『ID. Every1』の量産モデルだ。IDポロのプラットフォームの短縮版をベースに開発される、Aセグメントのシティカーである。このクラスで車両を投入するのはフォルクスワーゲンだけとなるが、シェーファー氏によれば、これは市場規模が小さいためだという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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