たしかに硬い。けれども不必要に跳ねることはない。この手のクルマとしては、じつに安定している。足元も細かにコントロールできる。

レイズ製の鍛造アルミ・ホイールのおかげでバネ下重量も軽くなっている。1740kgのクルマからは想像できないほどだ。

峠道では極めてハツラツとしている。荒れた路面をテンポよくいなしながら、豪快なエンジン音とともにどんどん歩を進める。なめらかなATも加点ポイントだ。

ただし、ポルシェ・ケイマンのようなひらりとした身のこなしは期待すべきではない。ワイドかつ前後に長い車体には、大きなサーキットかアウトバーンの方がよく似合う。

試しにサーキットにも連れだすと、ノーズ(重い)を落ち着けるためにブレーキングの時間をたっぷりとかける必要があることに気づく。