北京モーターショーで発表される中国車

公開 : 2016.04.22 22:20  更新 : 2017.06.01 01:33

  • チェリーFV2030

  • レエコ・レシー

  • セノヴァ・オフスペース

  • IAT SUV

  • ジーリー・エムグランドGS

  • 衆泰SR8

  • ボルグワルドBX7

  • 北京オート・エレクトリック・スーパーカー

  • ロエヴェRX5

  • チェリー・ティゴ7

毎年中国では2,000万台以上の新車が販売される。そして、間違いなく世界最大の市場と成長した。ここでは、来週行なわれる北京モーターショーで発表が予定されている11台の中国車を紹介したいと思う。しかし、こういったオリジナルの個性溢れるクルマが発表される一方で、模倣車が存在するのも現実。その模倣者の歴史については、こちらをご覧いただきたい。

チェリーFV2030

チェリーは北京モーターショーの直前にFV2030を公開した。コンセプト・モデルであり、その内容はかなり実験的な要素を含むが、そのクロスオーバー風のスタイルと、モーターによる駆動というタイムリーなもの。これをベースとしたEVクロスオーバーが発表されるかもしれない。

レエコ・レシー

レエコの名前はアストン マーティンラピードEを共同で開発することで知られているかもしれない。また、テスラSのライバルとなるファラデーの共同創始者としても知られている。今回発表されるレシーは、スーパー・エレクトリック・エコシステムを備えたEV。そのスタイリングは明らかにされたが、その詳細については、北京モーターショーの会場で発表される予定だ。

セノヴァ・オフスペース

1953年に設立された北京汽車グループであるセノヴァは、北京モーターショーでオフスペースとネーミングされたSUVを発表する。暗い背景でフロント部分の写真が公開されており、そのディテールはまだ不明だが、フロント・エンドのデザインははっきりとわかる。

IAT SUV

2002年に設立されたIATは、北京モーターショーでSUVを発表する。その角ばったデザインはレクサスLF-NXコンセプトを思わせるが、いくつかのレポートによれば、全長が6mを越える大型のモデルだという。

ジーリー・エムグランドGS

昨年の上海モーターショーでデビューし、2016年度の中国カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたGC9の発展型で、本国ではボウエというネーミングが与えらえるのがGSだ。この新しいSUVは、今年の3月、中国市場向けとして正式に発表されているが、モーターショーに登場するのは今回が初めてのこと。エンジンは、143psの2.0ℓガソリンか、163psあるいは184psの1.8ℓターボ・ガソリンが用意される。184psバージョンのみ4WDが設定され、その他はFWDとなる。輸出も考えており、ヨーロッパ市場にもお目見えするかもしれない。

北京オートBJ90

現時点ではその写真は公開されていないが、基本的にはメルセデス・ベンツGLをベースとしたモデルだ。北京汽車は中国におけるダイムラー・ベンツのジョイント・ベンチャーであり、その協業としてメルセデスのプラットフォームとエンジンを使用したSUVを製造する権利をもっている。価格はおよそ£80,000(1,260万円)と、中国産のクルマとしては最も高価なクルマの1台である。インテリアはオリジナルのGLと似ているが、このBJ90はより大きなタッチ・スクリーンとウッド・トリム持つ。エンジンは3.0ℓV6ツインターボか4.0ℓV8ツインターボで、7速のデュアル・クラッチがトランスミッションとして設定される。また、駆動方式はメルセデスの4マチックを採用する。

衆泰SR8

北京オートのBJ90がメルセデスから正式な許可を得たモデルであるのに対し、衆泰(Zotye) SR8はポルシェ・マカンの違法フルコピー商品。インテリアまでそっくりで、ステアリング・ホイールのバッジを除けば見分けるのが難しいほど。悪名高いイヴォークのコピー、ランドウィンドX7と同じ三菱製の2.0ℓターボ・ユニットを搭載する。偽マカンの対価は£17,000(270万円)。中国人はこの偽マカンで、隣に並んだ安いクルマを馬鹿にするのだろうか。もちろん明らかに著作権侵害であるから、輸出は不可能だ。

BYD チン EV300

アメリカの投資家、ウォーレン・バフェットが投資するBYDの第2弾となるEV。テスラとは異なり、BYDの最初のEV(e6)は、ロンドンを含む世界中の大都市でタクシーとしての供給を狙っている。チンは最初プラグイン・ハイブリッドで登場したが、e6のEV技術を移植してチンEV300として再登場する。306kmの航続距離を持ち、価格は助成金なしで£26,000(410万円)。このクルマは、ヨーロッパでBYDの基礎を築くモデルになるかもしれない。

ボルグワルドBX7

かつてドイツにあった自動車メーカー、ボルグワルドを覚えているだろうか。覚えているとしたらあなたは50歳以上ということになる。所有者のBAICは、そのネーミングを復活させることへの重要性を感じている。しかし、ネーミング以外に、ドイツ・メーカーとの繋がりはない。実際にはセノヴァX65をベースとしたモデルだ。セノヴァは、サーブから技術を購入した会社だ。BX7は、サーブのチーフ・デザイナーのエイナー・ハーレエイデがデザインしたもので、エンジンは旧いサーブの設計となる2.0Tエンジンだ。BAICは、このボルグワルドというブランドを輸出する可能性も模索している。

クォロス3エステート・クロスオーバー

2014年にジュネーブ・モーターショーで公開されたクォロス3にエステート・バージョンが存在することはクォロスが明らかにしていたことだ。ドイツで設計されたよく出来たクルマではあるが、ブランド力がないために、販売では苦労していた。ヨーロッパでもスロヴァキアでのみ販売されたに過ぎない。より広いユーザーを獲得するために、サルーンおよびエステートにクロスオーバーとしての処理を施した。エンジンはナチュラル・アスピレーションまたはターボの1.6ℓだ。

北京オート・エレクトリック・スーパーカー

ジュネーブ・モーターショーで公開されたテックルールズのAT96に続く、中国製のEVスーパーカーだ。まだネーミングも正式なものがついておらず、その詳細も不明だが、バルセロナのBAICのR&Dセンターで開発されるもので、フォーミュラEの技術が盛り込まれているという。0-100km/h加速は3.0秒、最高速度は260km/hで、航続距離は300kmだ。しかしBAICは市場にモデルを実際に投入するまでの時間が長く、果たしこのモデルも現実的に生産されるかどうかには疑問をもたざるを得ない。

ロエヴェRX5

ロエヴェはローバーの所有権を買い取ったメーカーで、親会社SAICはMGブランドを復活させた。2、3のティザー・フォト以外、RX5の詳細は不明だが、エンジンは1.4ℓターボと1.6ℓのガソリン・エンジンが搭載されるものとAUTOCARは見ている。そしてMG GSのロエヴェ・バージョンであると確信している。また、GM製の1.4ℓエンジンも搭載されるかもしれない。

ヴェヌシアT90

2011年の上海モーターショーでの大きな話題は、政府が主導して東豊日産とのジョイント・ベンチャーとしてヴェヌシアが造られたことだ。最新のT90は、日産ムラーノをベースとしたモデル。エンジンは2.5ℓのガソリンか、2.5ℓのハイブリッドが搭載される見込みだ。

チェリー・ティゴ7

グレート・ウォール、ジーリー、BYDとならび、チェリー(奇瑞汽車)は中国でもベストセリング・メーカーの一つだった。しかし、現在は右肩下がりの経営で、地方自治体からの援助を受けた上で存続している。エンジンは1.5ℓおよび2.0ℓのガソリンで、スタイリングはなかなか魅力的なSUVだ。しかし、特にインテリアに関しては、徹底的な品質改善が行なわれない限り、復活は難しいそうだ。

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