BMW 440i グランクーペ・ラグジュアリー

公開 : 2016.06.13 23:50  更新 : 2017.05.23 10:23

新世代のストレート・シックスはターボ化されている。従来435iに搭載されていた一世代前の2855cc直列6気筒エンジンに対して、最高出力で20ps(15kW)上がり、最大トルクで5.1kg-m増大している。数値でみると、最高出力は326ps(240kW)、最大トルクは45.9kg-mだ。燃費も最大で10%改善されている。最高出力は5500rpmで発生するような設定で、時代に合わせて中間域での使い勝手を重視し、効率をより高めた現代的なエンジンということも出来る。

はたしてフィールはばつぐんだ。BMWに乗ると、クルマとエンジンとほぼ一体だということに思い当たる。この新世代の6気筒エンジンも例外でない。1350rpmから最大トルクが発生しはじめる設定のため、そこから3000rpmあたりの領域での加速性は十分。トルクバンドは5000rpmまでと広いが、もっと下の領域でクルマは意のままに加速する。それがとても気持ちよい。

アクセル・ペダルのオンオフに対する加減速も素早く、右足の踏み込み方による速度のコントロール性もよい。わずかの力を込める、あるいは抜く。それで望みの速度を維持することが出来る。これは意識していなくても、クルマの操縦性の気持ちよさを感じられるので、重要な“性能”である。意識的なメーカーとそうでもないメーカーがある。あるいは車種によって違うこともある。BMWのこの考えが発展して行き着いた先は、i3だ。アクセル・ペダルを離すとブレーキがかかる。

■「買い」か?

440iグランクーペは運転が楽しめるが大人っぽい。スノー・スポーツにもマリン・スポーツにも、もちろんゴルフにも使いやすいよう、後席バックレストは4対2対2の分割可倒式だ。センター部分だけ倒しても長尺ものが難なく収まる機能性を持つ。いっぽうで室内の作りは上質だ。日本での仕様は、革シートをはじめぜいたくな仕上げの「ラグジュリー」と、やや硬めの足回りにスポーツ・シートを備えた「Mスポーツ」が設定されている。このクルマの持つ2つの方向性をより強調したキャラクターの異なる仕様である。

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