ハイパフォーマンス・ワゴン対決  M5 vs RS4 vs E63 AMG 前編

公開 : 2017.11.19 11:40  更新 : 2017.11.19 11:54

M5ツーリング復活のタイミングで、ドイツ・プレミアム御三家のハイパフォーマンス・ワゴンを対決させた仁義なき戦い。かつての英国AUTOCARテスター陣のトップガン、クリス・ハリスによる全開テストの模様を、AUTOCAR JAPAN誌50号から再録した前後編のリポートです。

もくじ

前編
高性能クラスのリーダー、ついに動く
最大514ps、最小420ps
高性能と高機能
ワゴンに乗っているのを忘れる走り

後編
ウェットで絶大な4WDの優位性
積載状態でタイムアタック
速さか、広さか、それとも…
番外編・伏兵現る

高性能クラスのリーダー、ついに動く

世の中にあらゆるカテゴリーの高性能クラスを完全に牛耳るか、それに近い支配力を持つ可能性を秘めたブランドが出現するとしたら、いちばん近い位置にいるのはBMWだ。

BMWが、手を出したカテゴリーでことごとくトップレベルのクルマを作っているメーカーだというのは誰もが認めるところだし、まだ手を出していないカテゴリーに彼らがこれから高性能車を持ち込んだとしても相当いいところに食い込むだろうと、やっぱり誰もが思うはずだから。

運動神経がキレまくってるセダンに激ヤバなサルーンに超キュートなロードスターに、それから、えー、思い浮かばないから普通に言うと535d用のエンジンを載せたX3。

どのクルマも「高性能」のミドルネームを持っている。BMW「高性能」335iとかね。このままいくとバイエルン地方の方言か、あるいはドイツ語の定冠詞になりかねない。「高性能」ってワードが。  

それくらいBMW「高性能」戦略に席巻されている自動車ギョーカイにあって、あるカテゴリーに限ってはなぜかこのところ平穏だ。

マーケット的にはかなりウマ味があるはずなのに、BMWは不気味に静観したままでいる。理由はわからない。わからないけれどここ10年余りBMWが放置しているのはワゴン。BMW的にはツーリングか。

BMWが最初で最後の左ハンドルしかなかったM5ツーリング(E34型)の生産を終了してからこっちというもの、このカテゴリーではA4やA6のアバントにターボやV8を載せたアウディが猛威をふるってきた。BMWに代わって。

メルセデス・ベンツもそう。CクラスEクラスのステーションワゴンにきっちりAMGモデルをラインナップし続けてきた。

けれどBMWは静観。たぶんBMWにとってE39型5シリーズ・ツーリング中最速だったV8よりも速いクルマ、つまりそれはM5ツーリングだけれど、それを作るのはわりと簡単なことだった。

作らなかった理由はショーバイにならないから。

少なくとも「カタログ・モデルにできるほどM5ツーリングに需要はない」と読んでいた。試しに限定車的としてでもMディビジョンに作らせてみたとしたらそのクルマはまず間違いなく素晴らしいデキになっていたはずで、その場合はMディビジョンの作品として当時ボスだったゲルハルト・リヒターの名誉の足しになるだけでBMWにトクはない──というようなところだと思う。BMWの考えは。

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