長寿車ランキング 世代交代なしに10年以上続いたモデルとは 後編

公開 : 2018.02.07 11:40  更新 : 2021.03.05 21:43


フォルクスワーゲンビートル:65年(1938〜2003年)

いよいよ、長寿記録の持ち主を紹介しよう。とはいえ、それはいうまでもないかもしれない。ザ・フォルクスワーゲン、初代ビートルである。もはやクラシックカーに分類してもいいクルマだが、その人気はクラシックカー・マニアの領域を超えて幅広い。世界屈指のアイコンであり、コカ・コーラのロゴと同じくらいの高い知名度を誇る。

後にここまでの存在になるとは、生産開始時には誰も予想できなかった。1930年代後半、ナチス体制下のドイツで開発されたが、第二次大戦勃発で本格生産は凍結。戦後、工場が英国軍の管理下に入り、英国での生産も検討されたが、それを希望するメーカーはなかった。「自動車として、基本的な技術面の要求を満たしていない。標準的な購買層にとって、全く魅力はない。商業生産は、完全に利益を見込めない事業となる」と、当時の英国政府は見解を記している。

KdFワーゲン(歓喜力行団の車)と命名したそれが、1960年代にヒッピーのシンボルとなろうとは、名付け親のヒトラーも想像だにしなかったことだろう。最終的に、この愛すべきカブトムシにとどめを刺したのは、エミッション規制の強化だ。2003年、限定モデルのウルティマ・エディシオンを最後に、メキシコでの生産も終了。15もの国で、これも世界記録となる2100万台以上が製造された。

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