VWグループ会長 ヘルベルト・ディース 1年越しの独占インタビュー 電動化の立役者

公開 : 2019.06.16 11:50

販売台数の重要性 規模は十分

これまでの前任者同様、ディースも会長就任後、数週間のうちにフォルクスワーゲングループの再編についてのコメントを行っているが、それは、ポルシェアウディがグループの収益源となっているからだろうか? ふたたびディースは慎重に言葉を選ぶ。

「ポルシェとアウディがそれぞれ自前主義を貫くのは非常に困難なことです」と、彼は説明する。

「近年では、それぞれのブランドが密接に関連しています。多くのポルシェが作られているのは、フォルクスワーゲンの工場であり、さらに、アウディのプラットフォームを使ったポルシェも存在します。アウディの17%から18%という利益率も、MQBプラットフォームがあってこそであり、このプラットフォームを採用したアウディ製モデルの数は40万台にも達しています。さらに、MQBを使った車両の数は、グループ全体では800万台にもなります。グループ間のシナジー効果は計り知れないものがあるのです」

では、販売台数は重要なのだろうか? ディーゼルゲートが発覚するまでのマルティン・ヴィンターコルン時代、フォルクスワーゲングループは、世界最大の自動車メーカーの座をトヨタから取り戻すべく、その猛追ぶりで世界を驚かせていたのであり、僅差ながら、いまもその座は死守している。販売目標の重要性についての質問に対するディースの回答は、予想通り複雑なものだった。


「多くの市場で十分なシェアを確保できていると考えています」と、彼は言う。「もちろん、さらなるシェア向上が必要な市場も存在します。中国では19%、欧州では20%のシェアがありますが、米国では4%と苦戦を強いられており、この状況を看過することはできません」

「つまり、規模はやはり重要であり、今後10年では、その重要性はさらに大きくなるということです。内燃機関に比べて2倍ほどにも達する原材料コストと、原材料コストそのものが市場動向によって大きく左右されることから、EVでは規模の経済というものがあまり機能してきませんでしたが、自動車のコモディティー化が進むなか、やはり、規模が大きな役割を果たすことになります」

「多くの製品を創り出すには、そのための投資が必要となりますが、すでにフォルクスワーゲングループには十分な規模が備わっており、これ以上の規模拡大は必要ありません」

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