ロードテスト メルセデス・ベンツGクラス ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2019.07.28 09:50

結論 ★★★★★★★★☆☆

「これまで通りの性能と魅力、個性に、21世紀のラグジュアリーさが加わった」

メルセデスがオンロードでの走りを一新しようとしなかったなら、新型Gクラスのようなクルマには、それがはじめて構造的な完全性やAMGが磨いたサスペンションを備えながらも、アダプティブエンジンマウントを装備しようとはきっと考えなかっただろう。それがまさしく、この新型ゲレンデヴァーゲンにおける彼らの成果だ。

タフな状況ではどんなオフローダーにも劣らぬ高性能を発揮し続けてきた歴史を持ついっぽうで、日常使いできる高級SUVとしてアピールできるものではなかったゲレンデヴァーゲン。最近では、ミリタリーチックなルックスを好む富裕層に向けたクルマ造りを試みてきたが、このタイムレスなクロカン四駆を大幅に再定義するまでには至らなかった。

今回のG350dはいまや、このクラスのほかのSUVと同様に、広さやドライバビリティ、燃費効率、高級感ある良好なマナーを備えている。それでも走らせれば特別なクルマだと感じられ、魅力満載で、場をわきまえた使い方もできる。もちろん、ほかの高級SUVとは一線を画する四駆性能は失われていない。また、運転しやすくなったのとともに、不思議なくらい見栄えも穏やかになり、日常使いもしやすいはずだ。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース

運転席はシートに高さがあるので、それほど多くのレッグルームを必要とはしないが、脚が今より長くなくてよかったと思った。自分の身長は190cmほどだが、それより背が高くてもヘッドルームに不足は感じないだろう。

サイモン・デイヴィス

G63のエンジンは途轍もないが、それでももしGクラスを手に入れる財力があったならG350dを選びたい。このディーゼルユニットは実に洗練されていて、V8よりずっとGクラスのキャラクターに合っている。

オプション追加のアドバイス

G63に大枚をはたくというのでなければ、G350d AMGラインを選ぶこととなる。5995ポンド(約89.9万円)のプレミアムパッケージは装備したいが、1700ポンド(約25.5万円)のナイトパッケージは不要だ。もしオフロード走行を考えているなら、255ポンド(約3.8万円)のアンダーガード装着を。ライトブラウンの高輝度ウッドパネルに360ポンド(約5.4万円)支払えば、インテリアの質感が高まる。

改善してほしいポイント

・ホイールの動きが損なわれないのであれば、ボディコントロールを改善してほしい。
・G500の導入など、バリエーション拡大を。ところで、プラグインハイブリッドの設定はいつになるのだろうか。
・オフロード走破性を高めるべく、プロテクター類などのアクセサリーを拡充してほしい。

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