災害で停電、クルマを避難場所に 政府も公認 正しい使い方/注意すべきポイントまとめ

公開 : 2019.09.11 19:25  更新 : 2019.10.16 09:41

台風15号が首都圏を直撃。千葉県の一部では停電が続いています。車中泊避難は、国会でも議論をよび、認められました。車中泊避難でできること、注意すべきポイントは?

災害時、クルマへの避難は政府公認

text:Kumiko Kato(加藤久美子)

台風15号が首都圏を直撃して2日以上が経っているが、いまだに千葉県の一部では停電が続いている場所も少なくない。成田空港も「陸の孤島」状態が続いている。

地震や大雨、洪水、台風などによる自然災害が発生した際には、市町村があらかじめ指定した避難所に滞在することが原則。

災害時、クルマへの避難は政府公認。
災害時、クルマへの避難は政府公認。

避難所で、水や食料、寝具など必要なサービスを受けることができる。

しかし、2016年の熊本地震ではプライバシー確保などの理由でクルマに避難したひとも多かった。

今回も連日30℃以上の残暑厳しい中、暑さから避難するためクルマで過ごしているひとも少なくない。

「車中泊避難」は、熊本地震以前は災害対策基本法においても「想定外」とされていたよう。

しかし、2016年6月の国会答弁以降は「やむを得ない理由により避難所に滞在することができない被災者」として車中泊避難も認められている。(災害用語では「車中避難者」)

指定の避難所に避難した場合と同じく、「必要な生活関連物資の配布、保健医療サービスの提供、情報の提供その他、車中避難者の生活環境の整備に必要な措置を講ずるよう努めなければならないこと」とされている。

クルマへの避難はプライバシーを確保できて、エアコンによって暑さをしのぐこともでき、携帯電話やスマホ、タブレットなどの充電も可能。

最低限のライフラインは確保できていると言えるが、もちろん注意すべき点はある。

クルマへの避難でできること:充電編

筆者も東日本大震災の時は地震発生後から、横浜市内の自宅で8時間近い停電を経験した。

携帯電話は時々しか通じなかったが、照明と暖房が確保できてパソコンや携帯を充電できただけでも非常にありがたかった。

車内で電子機器を充電することもできる。
車内で電子機器を充電することもできる。

クルマで充電するために必要なものをまとめてみた。

シガーソケットを使う

シガーソケットを経由してパソコンなどを使う場合にはDC12V→AC100Vに変換するインバータ機器が必要となる。

通販サイトでは5000円以下で入手可能で120−300Wの使用が可能だ。USBポートが付属しているタイプなら、スマホやタブレットの充電もそれ1つで可能となる。

また、シガーソケットに差して使うUSB単体の充電器もある。充電スピードを考えるなら2A以上のチャージャーを選ぶこと。

クルマに装備されたAC電源を使う

現在ではハイブリッド車以外にもAC電源を装備するクルマが増えている。

マツダCX8ではAC電源ソケット2か所が全車標準装備で120Wまでの家電製品を使うことができる。

アルファードなどのハイブリッドモデルでは電子レンジやドライヤーなども使用できる1500WまでOK。

クルマに装備されたUSBポートを使う

近年のクルマにはほぼ全車にUSBポートが装備されている。

ただし、古いものだと出力が0.5A程度しかなく(本来の目的はUSBメモリからの音楽転送用)バッテリーが切れることはないがスマホを使いながらの充電はむずかしい。

ここ2〜3年に出た新車の中には、充電を想定して1.0A以上のポートが装備されることが多い模様。

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