【アウディならやっぱりアバント】アウディA6アバント 40 TDI (3) 車両を切替え

公開 : 2020.01.16 10:50

ドイツ御三家、Eクラスと5シリーズに並ぶ存在のA6。幅広い訴求力が必要となる、クラスベストのエグゼクティブ・モデルといえるのか、長期テストを通じて最新アウディA6を分析していきます。

積算 8957km ドライビングモードの変化

text:Damien Smith(ダミアン・スミス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
様々なドライビングモードを試してみると、ハンドリングの変化が大きく、車内の雰囲気も輝いて感じられるほど。ダイナミックモードが最もわたし好みで、まるでスター・ウォーズのデス・スターのように一気にたくましく感じられる。

オプションの4輪操舵システムも好印象。狭いスペースでの取り回しでは、家族のフォード製のミニバン、SマックスよりA6の方が優れていることもわかった。

アウディ A6アバント 40 TDI スポーツ Sトロニック
アウディ A6アバント 40 TDI スポーツ Sトロニック

車両変更 サルーンの50からアバントの40へ

長期テストのクルマを、エントリーグレードに近いエステートボディのアバントに交換した。

サルーンにするかステーションワゴンにするかは、常に悩ましい問題だ。近年のドイツ・ブランド3社のモデルから選ぶなら、筆者はステーションワゴンを選ぶ。

アウディA6アバント 40 TDI スポーツ SトロニックとアウディA6 50 TDI クワトロ
アウディA6アバント 40 TDI スポーツ SトロニックとアウディA6 50 TDI クワトロ

機能もスタイルも犠牲にすることがない。特にフェラーリ250GTのように、足の速いワゴンボディは筆者好み。アウディA6の場合はどうだろう。自分なら間違いなくアバントを選ぶ。正面から見ればほぼ同じだが、なだらかに降下するルーフラインの方が良い。

今回、たくましいA6 50 TDIにお別れを告げ、アバントにスイッチすることになったのだが、格下グレードの40 TDIにも関わらず後悔は殆どなかった。エンジンは3.0LのV6ディーゼルターボから、実直な直列4気筒のディーゼルターボに入れ替わる。

名残惜しいアルミホイールと4輪操舵

駆動方式はクワトロと呼ばれるダイナミックな4輪駆動から、前輪駆動になる。ATのSトロニック・トランスミッションは8段から7段へ1段減少。タイヤも19インチのピレリから18インチのブリヂストンになった。 0-100km/h加速は爽快な5.5秒から、8.3秒へと落ち着く。

一部の読者には不評だった数多くのオプションも、アバントの内容なら問題ないだろう。サルーンのA6 50 TDIには、2万ポンド(280万円)にも及ぶオプションが装備されていたが、アバントの40 TDIの方は数行の紹介で済む程度。

アウディ A6アバント 40 TDI スポーツ Sトロニック
アウディ A6アバント 40 TDI スポーツ Sトロニック

1495ポンド(21万円)のテクノロジー・パックに、115ポンド(1万6000円)の大容量燃料タンク。これで63Lから73Lへ増える。1150ポンド(16万1000円)のダンピングコントロール・サスペンションと、1950ポンド(27万3000円)のパノラミック・サンルーフも付いている。大きなサンルーフは後席の子供には大好評だ。

50 TDIに付いていた名残惜しい装備は、5本のVスポークが凛々しいアルミホイールと4輪操舵システム。40 TDIのホイールは少し安っぽく見える。うっかり対向車を幻惑させないで済む、マトリックスLEDヘッドライトも良い機能だった。アダプティブ・エアサスペンションの優しい乗り心地も良かった。

アバントにもダンピングコントロールは付いているが、一般的なスチールコイルのサスペンションだから、英国郊外での乗り心地には明確な差がある。これから、筆者が歩み寄っていかなければならない。

もっとも、これらは不満ではない。荷室の大きいアウディはサルーンより美しいし、落ち着きがあり快適なことで知られている。5代目になっても、A6という由緒正しき血統に違いない。

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記