【詳細データテスト】マツダMX-30 デザインや質感は上々 飛ばせば元気 市街地で真価を味わえず

公開 : 2021.03.20 20:25  更新 : 2021.03.27 05:14

マツダ初のEVは、車名に与えられたMXの文字から、MX-5ことロードスターに通じる走りを期待したくなります。たしかに、ワインディングを飛ばせば活発ですが、そこへたどり着くには航続距離が不足しています。

はじめに

自動車業界において、EVのテクノロジーがいかに広まったか、また、その広まりがどれほど急激か、それをよく表しているできごとがあった。これまで電動化にはかなり慎重な態度を公にしてきたメーカーまでもが、渋々ながらかもしれないが市場に参入してきたのだ。

今回テストするMX-30を導入するとともに、独立心の強さで知られるマツダはひとつの重要な事実を認めている。

テスト車:マツダMX-30 145PS GT スポーツテック
テスト車:マツダMX-30 145PS GT スポーツテック    MAX EDLESTON

電動車のライフサイクル全体におけるCO2排出量は、少なくとも今のところ、ひとびとが思っているほどサステイナブルで環境面の責任を果たせるものではない。それでもマツダでは、ある程度の電動化を導入することなしに、厳しさを増すエミッション規制をクリアすることができないのが現実である、ということをだ。

われわれとしても、2030年までに内燃エンジンを全廃するというような広島発のアナウンスを聞くことになるとは思っていない。だが、電動化を避け続けてきた彼らもついに、EVの市販を開始することとなった。

間違いなくMX-30は、いろいろな意味で新しいマツダ車だといえる。既存モデルにバッテリーと電気モーターを積み込んだようなEVを送り出すメーカーも多い中で、マツダは自社の設計者たちに、もっと自由な開発を許した。

開発陣が選んだボディタイプは、ファッショナブルでモダンなコンパクトクロスオーバーで、もっとも使われる機会が多いであろう市街地の環境への適合を目論んだ。と同時に、マツダの歴史に残るコンパクトなクルマたち、MX-5ことロードスターやMX-3ことプレッソのDNAを受け継ぐことを、車名でほのめかした。

またマツダは、EVとしては比較的軽いウェイトと、他社とは一線を画する魅力的なハンドリングにより、このクルマを小型電動車としてはこれまでになかったような、ベストハンドリングモデルに仕上げたと請け合う。その主張がどれほど正しいのか、確かめてみようではないか。

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