【X3やGLCを追う新モデル】ジェネシスGV70 2.2Dへ試乗 アメリカンなラグジュアリー 

公開 : 2021.09.14 08:25

ヒュンダイが展開する上級ブランドが欧州へ上陸。BMW X3やアウディQ5などのライバルとなるGV70を、英国編集部が評価しました。

車内はアメリカンなラグジュアリー

執筆:Matt Prior(マット・プライヤー)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
まったく新しいモデルが登場した。韓国の自動車メーカーが展開する、欧州では新しいブランドからの新しいSUVだ。その名も、ジェネシスGV70。

耳馴染みのない読者へ簡単に説明すると、ジェネシスとはヒュンダイ・グループが手掛ける上級ブランド。トヨタレクサス日産インフィニティに相当すると考えればわかりやすい。

ジェネシスGV70 2.2D ラグジュアリーライン AWD (英国仕様)
ジェネシスGV70 2.2D ラグジュアリーライン AWD (英国仕様)

レクサスやインフィニティと同様に、これまでジェネシスが得意としてきた市場は北米。ただし、彼の地では人気のインフィニティだが、欧州では反応が悪く撤退してしまった。

GV70は、Vの文字から想像するとおりSUV。ジェネシスの70にはステーションワゴン・モデルも用意されており、そちらはG70シューティングブレークと名付けられている。

GV70の全長は4715mm、全幅は1910mm、全高は1630mm。英国のスターティング・プライスは4万ポンド(600万円)を僅かに下回る。欧州向けに開発されており、競合車種はアウディQ5BMW X3メルセデス・ベンツGLCなどが該当する。

早速乗り込んでみよう。ドイツの上級ブランドに伍するべく、車内は豪奢に仕立てられている。開発は主に欧州で進められたクルマだが、アメリカ的なラグジュアリーさが漂う。

運転席からインテリアを観察すると、プラスティック製だと明確にわかる部品は殆どない。ダッシュボードには、サテン仕上げの金属フレームが楕円を描くように配される。ヒーターや間接照明の操作系などが、黒いプラスティックのようだ。

それ以外は、上質なレザーで覆われている。カラーはグレーがブラウンから選べる。

大きなモニターとローレット加工の金属

ダッシュボードの楕円は、ステアリングホイールにも展開される。1970年代の、大胆なコンセプトカーのインテリアを思い出してしまった。

クッションのように大きいパッドの中央に、ジェネシスのゴロマークがあしらわれる。中央の盾形から、翼が伸びている。ロゴはクライスラーのものにも似ている。

ジェネシスGV70 2.2D ラグジュアリーライン AWD (英国仕様)
ジェネシスGV70 2.2D ラグジュアリーライン AWD (英国仕様)

ヒュンダイのSUV、ツーソンのように、エアコンの送風口はダッシュボード上部を左右に貫く。そのラインはフロントドアを横断し、リアドアまで伸びている。送風口は、上下へ分断するように、サテン仕上げのメタルトリムで彩られる。

ウッドパネルはない。ドアパネルは、グラフのようなグラフィックで装飾されていた。

中央のタッチモニターは15.4インチと大きく、解像度も精細で高機能。センターコンソールには、ロータリー式のギアセレクターと、インフォテインメント用モニターを操作するロータリーダイヤルが付く。その中央には、タッチパッドが組み込まれている。

ただし、運転中の操作には向いていなさそうだ。ギアセレクターと場所が近く、間違って触れやすいように感じた。慣れの問題かもしれない。

ステアリングコラムから伸びるレバーの先端は、繊細なローレット加工が施された金属で飾られる。動きはとても滑らかで、ドイツ・ブランドのものとは異なったタッチだ。これはこれでラグジュアリーさが伝わってきて、悪くない。

関連テーマ

おすすめ記事

 

ヒョンデの人気画像