【セラ、フィガロが登場】北米の庶民派オークション RMサザビーズ・オーバンフォールを解説

公開 : 2021.09.13 21:02  更新 : 2021.10.11 10:52

トヨタ・セラ、日産フィガロが、北米のオークションに登場。ダットサン200SX、ランクル、RX7の結果とともに解説します。

アメリカの趣味人が熱狂?

執筆:Kazuhide Ueno(上野和秀)
撮影:RM Sotheby’s

狂乱といえる結果となったモントレー・オークションから3週間後に、その対極といえる庶民向けのオークションが米国インディアナ州オーバンフォールで開催された。

このオークションの凄いところは、9月2日から3日間で1147点のクルマ、二輪車、パーツ、オートモビリアが競売されることにある。このうちクルマは457点を用意。

インディ500で有名な米・インディアナ州で大規模な競売「RMサザビーズ・オーバンフォール・オークション」が開催。3日間で1147点が競りに出され、その中には興味深い日本車たちが出品された。
インディ500で有名な米・インディアナ州で大規模な競売「RMサザビーズ・オーバンフォール・オークション」が開催。3日間で1147点が競りに出され、その中には興味深い日本車たちが出品された。    RM Sotheby’s

米国のオークションとあって出品車両の四分の三はアメリカ車で、1930年代から近年までのあらゆるモデルが並んだ。ノーマルのほか、ホットロッドも並ぶ。

また一般のクルマ好きを対象とすることから億を超えるものはなく、100~300万円クラスが主流になる。フェラーリもあるが最も高いもので666万円にとどまった。それだけに子細に見てゆくと意外な掘り出し物が見つかる楽しいオークションといえる。

用意されたアメリカ車のほとんどは日本でなじみのないモデルのため、ここではヨーロッパ車と日本車に絞って紹介したい。

レアな日本車たちを発見

今回のハイライトは、興味深い日本車が数多く姿を現したことだ。

なかでも注目を集めたのが、新車で輸入されなかったトヨタセラ日産フィガロだ。

1991年日産フィガロ(158万円)
1991年日産フィガロ(158万円)    RM Sotheby’s

セラはケイマン・アイランド・モーターミュージアムから放出されたもので、右ハンドルの日本仕様。

バタフライ・ドアを備えるスタイリングが受けて200万円で落札。

フィガロは25年規制が明けてアメリカに上陸したもので、走行は7.6万kmと多めだがオリジナルをよく保っていた。

こちらはセラより安い158万円で終えてしまった。

ダットサン200SX」とは

アメリカはおろか日本でも滅多に出てこない希少車がダットサン200SX。

日本では2代目シルビアS10型として販売されたが、今や絶滅危惧種といえる幻の1台といえる。

1977年ダットサン200SX(115万円)
1977年ダットサン200SX(115万円)    RM Sotheby’s

ダットサン200SXはアメリカ仕様のため大きな5マイル・バンパーや角形サイドマーカーランプにより、シルビアとは別物といえる雰囲気を漂わす。

出品車両はノースアメリカン・モーターカー・コレクションの所蔵車だったもので、アメリカでもマイナーな存在であるためか、レストア済みながら115万円にとどまった。

このほかにダットサン240Zは2台が出品され、1台が466万円で落札。もう1台は385~440万円の予想落札額だったが流れている。

アメリカで定番といえるトヨタFJ40系ランドクルーザーは5台が姿を見せ、ピックアップのFJ45が642万円を記録。また、マツダのRX7(FC)コンバーチブルも出品され、176万円で落札された。

変わったところでは三菱スタリオンのアメリカ向けモデルとなるクライスラー・コンクエストTsiターボが姿を見せたが、109万円にとどまった。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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