シトロエン2CV + ルノー4 世界で愛されたフランスの大衆車 上級志向の2台 後編

公開 : 2022.03.12 07:06

地方の農民のアシから、クラシックカーへと昇華したフレンチ・コンパクト。2CVと4を、英国編集部がご紹介します。

ほぼオリジナル・コンディションの2CV

ベルギーのシトロエンは、2CVの改良に以前から経験があった。複数のボディ色や2座独立のフロントシート、フロントガラス・ウオッシャーなども、他国よりいち早く導入していた。

1965年に追加されたシトロエン2CVの上級仕様、AZAM6では、Cピラー部分に3枚目のサイドウインドウが追加されたことに加え、定速ドライブシャフトも採用。100km/hという大台へ乗せた、初めての2CVとなった。

ワインレッドのシトロエン2CV AZAM6と、アイボリーのルノー4L
ワインレッドのシトロエン2CV AZAM6と、アイボリーのルノー4L

フランス大衆車というスピリットが色濃い、シトロエン2CV AZAM6とルノー4Lに今回はご登場願った。アイボリーのシトロエンはレストアも経ていない、ほぼオリジナル・コンディションだという。これまで、日常の足として毎日のように乗られてきた。

ワインレッドのルノー4Lも、姿は当時のまま。2CVからの、コンセプトの進化を観察できる。ただしこちらは、完璧な状態へ仕上げるべく、前オーナーなりのレストアが施されている。

「12年前に友人のマルコムが、究極のキャトルを作ろうと決めたんです」。と説明するのは、ルノー4のコレクターであり、現オーナーのスチュアート・デラホイ氏。彼にとって夢の1台だとう。

「マルコムは、右ハンドルの英国仕様を完全にバラしました。問題になったのが、シャシーだったようです。フォルクスワーゲンビートルと設計が似ているのですが、リア・サスペンションが錆びるんです」

「完璧に修理する方法は、シャシーからボディを降ろすこと。この弱点は、多くのキャトルが10年ほどで廃車になった原因です」

5 ゴルディーニ用のエンジンを載せた4

デラホイが続ける。「同じ頃、自分はルノー5 ゴルディーニを発見し、入手していました。キャトルと同じシリーズのエンジンが載っているモデルです」

「友人と話し合い、最終的にクルマへ何を求めるのか、ビジョンを共有しました。それは、細身のホイールに標準の車高を備えた、完全にノーマルの見た目のクルマ。インテリアもオリジナルのままで」

ルノー4L(1961〜1992年/英国仕様)
ルノー4L(1961〜1992年/英国仕様)

「一見すると、ノーマルのキャトル 850にしか見えないと思います。でも、かなり難しい仕事を施してあります」

マルコムは、オリジナルの845ccエンジンと4速MTを降ろし、5 ゴルディーニの1397ccシエラ・ユニットと5速MTを載せた。どちらも、細心の注意を払ってリビルドを受けている。

ブレーキはディスクに変更。ホイールはルノー6用を履く。オリジナルのホイールは、ブレーキキャリパーと干渉してまったそうだ。

「彼は見事にキャトルを仕上げましたが、実際に乗ることはありませんでした。むしろ、コレクションの数台を手放そうと考えていたんです。もちろん、売るべき相手はわたしだ、と伝えました。数カ月後には、自分がオーナーでした」

ボンネットを開かない限り、デラホイのキャトルは、ほぼ完全なオリジナル状態に見える。着色されたプラスティック製のステアリングホイールや、深みのあるボディ塗装まで、レストアの水準は非常に高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・マクレマン

    Greg Macleman

    英国編集部ライター
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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