どれだけ積める? 日産アリアB6の荷室 注目EVは、予想以上の収容力 パッケージの勝利

公開 : 2022.09.27 20:45  更新 : 2022.09.28 03:32

荷室調査シリーズ、今回はEVです。受注が停まっている「日産アリア」の前輪駆動モデル。どれだけスーツケースが積めるでしょうか?

受注再開が待ち遠しいEV

日本における量産BEVのパイオニアとしてリーフを送り出してきた日産が、それまでの経験を活かし人気のSUVカテゴリーに投入したのがアリアである。

初回限定の日産アリアB6リミテッドは2022年1月から先行発売され、カタログモデルのB6が5月12日から受注を開始していたが現在は注文を一時停止。

ルックスが評判の日産アリアB6(2WD=FF)。EVとあって、スペース効率には期待したいところ。荷室調査の基準器となる、いつものスーツケースで検証しよう。
ルックスが評判の日産アリアB6(2WD=FF)。EVとあって、スペース効率には期待したいところ。荷室調査の基準器となる、いつものスーツケースで検証しよう。    宮澤佳久

AWDのe-FORCE版と91kWh大容量バッテリーを備えるB9は追って発売される予定だ。

ここでは日産アリアの66kWhバッテリーを搭載した「B6(2WDモデル)」を、パッケージとラゲッジスペースに特化して検証してゆく。

ボディサイズ 競合と比較

まずはアリアのボディサイズを再確認したい。

全長4595mm×全幅1850mm×全高1655mmと、取り回しの良いミディアムサイズに収められている。

後席のバックレストを折り畳んだ状態。荷室の床面は前上がりになってしまうが、傾斜は緩やかだ。
後席のバックレストを折り畳んだ状態。荷室の床面は前上がりになってしまうが、傾斜は緩やかだ。    宮澤佳久

日産の同カテゴリーにあるエクストレイルと比べると、アリアは全長が65~80mm短いが、ホイールベースは70mm長く、オーバーハングの短い凝縮されたスタイリングが数値からもわかる。

直接のライバルと目されるのがレクサスUX300e(同4495×1840×1540mm)で、全長が少々短くなり、エンジン車との差別感は薄い。

またトヨタbZ4Xスバルソルテラ(同4690×1860×1650mm、両車共同寸)は、全長が95mm長くなる。

輸入車では今秋以降に正式導入予定のアウディQ4 40 eトロン(同4590×1865×1615mm)がほぼ同じポジションとなる。価格もアリアB6の539万円に対し、620万円(12月以降の新価格)と近いところにある。

荷室を実測 フロア下に2WDのメリット

アリアはクーペ型のスタイリングを採用しオーバーハングも短いため、取材前のイメージでは荷室の広さをあまり期待していなかった。

実際にリアゲートを開いてチェックしてみると、ウエストラインが高いこともあり広大でスクエアなスペースが確保されていた。

荷室フロア下には、有用な収納スペースが2WDモデルのみに備わる。フロアボードは取り外せる。
荷室フロア下には、有用な収納スペースが2WDモデルのみに備わる。フロアボードは取り外せる。    宮澤佳久

またフロア下には有用な収納スペース(左右1010×前後660×深さ130mm)が2WDモデルのみに備わる。AWDモデルでは補器類が入る関係からこのスペースはなくなってしまう。

フロア面で前後方向が975mm、左右方向は最も広い部分で1387mm、ホイールアーチ部分で1105mm。床面から荷室カバー下までは410mmだった。地上から荷室床面までは682mmと低め。

後席のバックレストは60:40の分割可倒式とされている。座面はそのままにバックレストだけが前に倒れるタイプ。折り畳み時の床面は前上がりになるが、傾斜は緩やかだ。

バックレストをすべて倒せば、最も狭い部分で左右1010mmあり、進行方向で1901mm確保されており、開口部が低く段差もないので、大きな組み立て家具でも楽に積める。

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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