ポルシェ356ホリデイ 飛騨・白川郷に70台集合 ポルシェの原点タイプ356のイベントとは

公開 : 2022.10.30 12:42

岐阜県からニュースです。ポルシェ356ホリデイが開催。ポルシェの原点となるモデルが、世界遺産の名勝地を駆け抜ける2日間を追いかけました。

ポルシェ356ホリデイとは?

ポルシェ356は生産されてから60年以上を経た今もなお、愛すべきスタイリングと現代の路上でも通用するパフォーマンスから、世界で高い人気を誇る。

1976年にポルシェ356を愛するオーナーにより設立されたのが、ポルシェ356クラブ・オブ・ジャパンである。そのクラブ・イベントの頂点に位置するのが2年毎に開催される「356ホリデイ」だ。

白川郷の合掌造りをバックに駆け抜けるポルシェ356。
白川郷の合掌造りをバックに駆け抜けるポルシェ356。    前田恵介

356ホリデイは、各支部が持ち回りで企画・運営することが特徴で、2022年は中部支部が担当した。地元ならではの趣向を凝らした濃密なルートやプログラムが組まれた。

今回は10月22日から23日の両日をメインとし、郡上市、高山市、白川郷、飛騨市という世界遺産にも指定されている岐阜の名勝地を舞台として盛大に開催された。

イベントとしてはツーリングとミーティングを356仲間と共に楽しみ、遠方のメンバーとの再会を喜び、地の食材を使った料理を楽しんでもらうことをベースに進められた。

ポルシェ本社も一目置く存在

日本を代表するポルシェ356のオーナーズクラブとして1976年に設立されて以来、積極的に活動してきたことから、ポルシェ本社からの信頼も厚い。

それを裏付けるようにポルシェジャパンからフィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフ社長と、マーケティング部の前田氏と田島氏がホリデイのために駆け付けてくれた。

みだしま公園では参加者全員が揃って記念撮影。
みだしま公園では参加者全員が揃って記念撮影。    前田恵介

さらにはポルシェAGエクスペリエシャル・マーケティング・コミュニティ・マーネジメント担当スペシャリストを務めるマティアス・メナー氏も、356ホリデイのために来日したことからも信頼関係の高さがうかがえる。

このほか356ホリデイを長年サポートしていただいている日本ミシュランタイヤからも2名が参加した。

そして356ホリデイに欠かせない人物が、アメリカから駆けつけた356レジストリーのケン・イトウ氏だ。氏は356のエキスパートとして名誉会員の称号が与えられ、356ホリデイを皆勤している特別な存在である。

70台のポルシェ356などが参加

集合場所となった道の駅 桜の郷駐車場には、北は宮城、西は徳島、熊本と全国から、メンバーが所有するポルシェ356のほかナロー911などを含む70台153名が集結した。

今回は日本のほぼ中央に位置する岐阜で開催されたことから、地元の中部地区はもちろん関東や関西、四国、九州から数多くの参加を数えた。

道の駅 桜の郷が集合場所とされ、全国からポルシェ356が続々と集まった。
道の駅 桜の郷が集合場所とされ、全国からポルシェ356が続々と集まった。    前田恵介

会場には参加車で最古となるモデルでホリデイに初参加となる1951年の356クーペから、プリA、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプの各バージョンが一堂に集まった。

子細に見れば1951年から1953年までの初期型356が揃い、スピードスターは5台のほか、コンバーチブルDとカレラ2も参加し、まさに動くポルシェ356ミュージアムの様相となった。

荘川名物である蕎麦のランチを楽しんだ後は、御母衣湖沿いのオープンロードを楽しみながら、合掌造りの家並みで知られる世界遺産に選ばれた白川郷までツーリングを行った。

白川村の協力により「みだしま公園」の駐車場を占有して展示。製造年順に並べられ、356の歴史を物語る素晴らしい光景が広がった。ここでコンクール・デレガンスの審査も行われた。

審査はポルシェ356に精通した審査員により厳選なチェックが行われる。ジャッジが始まると参加者は車載工具などをショーアップして、審査員の厳しい質問に答えていた。

このコンクール・デレガンスは単なるプログラムではなく、メンバーにオリジナルを保つことの重要性やコンディションを意識させる役目もある。実際にメンバーが所有する356のクオリティを高めることに貢献している。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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