新時代の幕開けを告げるラグジュアリーEV 10選 アッパークラスの電気自動車たち

公開 : 2023.02.26 18:05

4. メルセデス・ベンツEQS

世界で最も歴史のある自動車メーカーの1つ、メルセデス・ベンツは、電動モビリティへの転換に向けて断固として取り組んでいる。メルセデス初のEV専用モデル、EQCは2019年に登場し、その後もEQモデルがいくつかデビューしてきた。しかし、新世代リムジンのEQSほど評判の良いものはない。

新開発のプラットフォームを採用したEQSは、テスラモデルSが北米市場から奪っていったSクラスのシェアを取り戻す目的もある。現在英国で販売されているEQSは、最高出力330ps、シングルモーター、後輪駆動のEQS 450+が10万2160ポンド(約1650万円)から、AMG EQS 53が15万ポンド(約2400万円)を大きく上回る価格設定となっている。しかし、このクルマは熱意を持って設計され、他の乗用車ではほとんど実現できないような技術を満載しているのだ。

4. メルセデス・ベンツEQS
4. メルセデス・ベンツEQS

ダッシュボード全体をタッチスクリーン化する「ハイパースクリーン」(オプション)についての記事を読むと、EQSはハイテクがすべてだと勘違いしてしまうかもしれない。ハイパースクリーンは見た目がよく、本来の機能も十分に果たしているが、結局は3つのスクリーンが連続しているだけなのだ。

それよりも注目すべきは、空気の中を滑っていくような空力性能であり、120kWhの巨大バッテリーを最大限に活用して実走行距離643kmに貢献しているのだ。走りも良い。四輪操舵により全長5.2mのセダンとは思えないほど小回りが効くし、エアサスペンションのおかげで車外との隔離、快適性、洗練性が確保されている。

メルセデス・ベンツEQSは、自動車業界の権威がEV市場で足元を固め、破壊的なサーブを打ち返そうとしていることを示す、素晴らしく完成度の高いクルマなのだ。

5. ルーシッド・エア

ルーシッド・エアのように、かなりの波紋を巻き起こしながら、我々をかなり長い間待たせているクルマはそれほど多くないだろう。テスラ・モデルSにも携わった人物が設計したエアは、巨人を打ち倒すための切り札をいくつも携えている。

例えば、最高級グレードであるドリーム・エディションは、最高出力1126ps、最大トルク140kg-mを誇り、静止状態から97km/hまで2.4秒で到達する。さらに、118kWhの巨大バッテリーにより、1回の充電で830km以上の航続距離を約束している。300kWの急速充電に対応し、わずか20分で480km分を補給できるという。

5. ルーシッド・エア
5. ルーシッド・エア

これだけのパワーがあれば(低出力のグレードもある)、当然ながら圧倒的なパフォーマンスを発揮する。プロトタイプに試乗した記者は「首を痛め、病みつきになるような加速」とコメントしている。ただ、ステアリングは確かにシャープだが、素早い方向転換の際にややもたつく感じがあり、サスペンションを最も固く設定した場合でもダンピングコントロールの不足に悩まされる。また、乗り心地もやや曖昧で、高級車らしいしなやかな質感はない。ルーシッドの上層部は、今後の改良によって量産車では改善されるとしている。

メルセデス・ベンツEクラスとほぼ同じサイズだが、巧みなパッケージングにより、室内空間はSクラス並みの広さを誇る。また、端正なデザインと贅沢な装備、そして品質と仕上がりは定評ある欧州車には及ばないまでも、テスラ・モデルSを凌駕するものだ。まだ完成形とは言えないが、2023年後半に欧州で発売されるまでに課題を解決することができれば、そのスタイル、性能、航続距離は多くのファンを獲得することになりそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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