トゥーバー取付けは想像より大変 ホンダ・シビック 長期テスト(5) 楽しい三輪バギー

公開 : 2023.05.27 09:45  更新 : 2023.06.29 08:47

SUV人気で従来的なハッチバックは減少傾向。ホンダの意欲作はその流れに一石を投じるのか。英国編集部が実力を確かめます。

積算1万930km 想像以上に大変なトゥーバー取付

驚かないで。ホンダシビックは壊れていない。むしろ調子は良い。

写真は、グレートブリテン島の中東部、ピーターバラへ位置するディーラー、マーシャル・ホンダを尋ねた時の様子。シビックのバンパー下に、トレーラーを牽引するトゥーバーを取り付けてもらうことになったのだ。

ホンダ・シビック 2.0 i-MMD e:HEV アドバンス(英国仕様)
ホンダ・シビック 2.0 i-MMD e:HEV アドバンス(英国仕様)

英国では標準アクセサリーの1つに用意されており、ディーラー・オプションになっている。1本の電話で予約は終了。クルマを走らせ受付へ赴くと、窓口のスタッフは作業終了まで3時間が必要だと説明する。

ジャッキアップする必要があるとはいえ、こんなに時間が必要だとは知らなかった。費用も1245ポンド(約20万円)と、想像以上にお高い。しかし、作業内容を拝見して納得できた。

担当する整備士は、新しいシビックにトゥーバーを取り付けるのは初めてだと話す。ディーラーへ配られているマニュアルには手順が詳しく記載されているため、心配はいらないという。

スナップオンの立派なツールボックスの上に載せられた、ラップトップ・パソコンを見ながら作業は進められていく。画面を覗かせてもらったが、ひとつひとつ丁寧に記載されていて、筆者も手伝えそうに思えた。

肝心の固定方法だが、リアバンパーまわりを一式外す必要がある。バンパーフェイスを剥がして、衝撃を吸収する構造材が取り外される。この構造材部分を、トゥーバーが組み込まれた新しい部品へ交換する必要があるらしい。

素晴らしいホンダ・ディーラーの対応

リアのサブフレーム部分に、金属製のインサートも追加された。これにより、最大750kgのトレーラーを引っ張るのに充分な強度が確保される。シビックの車重が1533kgなことを考えると、かなりの重さまで耐えられるように思う。

次にインテリア。必要な配線を、トゥーバーからダッシュボードの裏側まで引き込む必要がある。これも簡単な作業ではない。リレースイッチは荷室の内張りの裏へ仕込むのだが、リアシート側のエアバックも外すことになる。

ホンダ・シビック 2.0 i-MMD e:HEV アドバンス(英国仕様)
ホンダ・シビック 2.0 i-MMD e:HEV アドバンス(英国仕様)

驚いたのは、ボルトやクリップの数。天井の内張りも含めて、作業前と同じようにガタつきなく内装が組み直された。

正規ディーラーであっても、作業内容に疑問を抱いた経験をお持ちかもしれない。だが、マーシャル・ホンダの対応は素晴らしかった。筆者の疑問へも快く答えてくれたし、すべてが丁寧。最後にはボディを洗って、車内に掃除機もかけてくれた。

筆者がAUTOCARのスタッフだから、普段以上の気遣いがあった可能性は否定できない。しかし自然な振る舞いからして、そんなことはないと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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