【既に受注の7割を占める人気車】 11代目爽快シビックに復活したRSはニア・タイプR!

公開 : 2024.10.18 07:05

11代目となるホンダ・シビック。そのマイチェン版に新グレード『RS』が登場しました。往年のシビックに用意されていたグレード名が復活です。既に受注の7割を占めるという人気グレードを中心に、大音安弘が試乗しました。

紛れもない走りのホンダ・イズムの伝承者

ホンダのスポーティハッチバック『シビック』がマイナーチェンジを受け、2024年9月12日より販売開始された。最大の目玉は、東京オートサロンで初披露された新グレード、『RS』の追加だ。既に受注の7割を占めるという人気車となったRSを中心に、改良型のレポートをお届けする。

2021年に販売を開始した11代目となる現行型は、心地良い走りに拘った『爽快シビック』とし、ホンダ・ファンの心を狙い撃ちするモデルとした。世間の話題は、フラグシップモデル『タイプR』ばかりに集中してしまったが、スポーティタイヤを履きこなす走りのハイブリッド『e:HEV』や、MTを操る楽しさも提供する1.5Lガソリンターボ車もなかなかのもので、紛れもない走りのホンダ・イズムの伝承者であった。

マイチェンを受けた11代目ホンダ・シビックに追加された新グレード『RS』。
マイチェンを受けた11代目ホンダ・シビックに追加された新グレード『RS』。    佐藤亮太

しかしMT車に関しては、ハイブリッドよりもマイルドなコーナリングフィールや、走行シーンによってはCVTよりも繊細さを感じるエンジン特性など、ちょっと物足りなさを感じていたのも本音だ。そんな私の心を見透かしたかのように、初投入された新グレードがRSである。

RSは、従来型から受け継ぐガソリン車の標準グレードをCVT専用とすることで、MTシフトで操る楽しさを重視したモデルだ。RS専用装備について解説すると、外観上の違いは、スポーティかつクールさを演出する各部のブラック化に加え、前後にRSバッチを装着し差別化。

インテリアは他モデルと基本的には共通だが、ドアトリムやシート、ステアリングなどに赤のステッチが追加されるほか、ダッシュボード上にも赤のアクセントを追加する。さらに乗車時には、メーターパネル内にRS専用アニメーションが映し出され、ドライバーの気分を盛り上げてくれる。

秘密兵器はタイプRにも採用されるレブマチックシステム

もちろんRSの本質は、そのメカニズムに宿る。1.5Lターボエンジン自体に変更はないものの、慣性モーメントを30%低減したシングルマス軽量フライホイールを採用し、エンジンレスポンスを向上。他にも少しハードにセッティングされたサスペンション、より軽快で切れ味の増した電動パワーステアリング、フロントディスクを1インチアップの16インチ化した強化ブレーキシステムなど、ハード面から鍛え直している。

さらに従来型MT車では非採用だった、ドライブモードセレクトも新設。そしてMT車の秘密兵器が、タイプRにも採用される『レブマチックシステム』だ。これは、減速操作に合わせてエンジン回転数を自動で制御し、スムーズなマニュアル運転操作をサポートするもの。つまり、イージードライブを可能としたMT車なのだ。

シビックRSのインテリア。ドアトリムやシート、ステアリングなどに赤のステッチが追加される。
シビックRSのインテリア。ドアトリムやシート、ステアリングなどに赤のステッチが追加される。    佐藤亮太

シビック自体のマイチェンにおける改良点としては、フロントバンパーが変更され、タイプR風味のより精悍な顔付きへとフェイスリフト。装備面では、最新ホンダ車で採用が進んでいるグーグル搭載のインフォテイメントシステムを全車に標準化したほか、先進の運転支援システム『ホンダ・センシング』も機能が向上。

グレード構成ではハイブリッド『e:HEV』を2グレード構成とし、ガソリン車がRSを除いてCVTのみとなったことが挙げられる。ちなみにe:HEVのハード面自体の変更はないとされる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大音安弘

    1980年生まれ、埼玉県出身。幼き頃よりのクルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在は自動車ライターとして、軽自動車からスーパーカーまで幅広く取材を行う。原稿では、自動車の「今」を分かりやすく伝えられように心がける。愛車は、スバルWRX STI(VAB)とBMW Z4(E85)など。
  • 撮影

    佐藤亮太

    Ryota Sato

    1980年生まれ。出版社・制作会社で編集経験を積んだのち、クルマ撮影の楽しさに魅了され独学で撮影技術を習得。2015年に独立し、ロケやスタジオ、レース等ジャンルを問わない撮影を信条とする。現在はスーパーカーブランドをはじめとする自動車メーカーのオフィシャル撮影や、広告・web・雑誌の表紙を飾る写真など、様々な媒体向けに撮影。ライフワークとしてハッセルブラッドを使い、生涯のテーマとしてクラシックカーを撮影し続けている。佐藤亮太公式HPhttps://photoroom-sakkas.jp/ 日本写真家協会(JPS)会員
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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