欧州が主なターゲット 最新トヨタC-HR プラグインHVへ試乗(1) ドラマチックなスタイリング

公開 : 2023.09.13 19:05

トヨタの人気コンパクト・クロスオーバーが2代目へ 個性的なスタイル一新 プラグインHV獲得 英国編集部がひと足先に試乗

欧州のユーザーが主なターゲット

新しいトヨタC-HRは、ベルギー・ブリュッセルに構える技術センター主導で開発されたそうだ。日本の自動車メーカーによる人気モデルだが、欧州のユーザーが主なターゲットに据えられ、生産拠点はこちら側にも設けられる。

従来的なグローバル・モデルから一歩踏み出し、初代C-HRも欧州市場でのシェア拡大を目指して開発された。そして、しっかり機能した。英国でも売れ行きは好調で、トヨタ車では4番目の支持を集めている。

トヨタC-HR プラグイン・ハイブリッド(欧州仕様)
トヨタC-HR プラグイン・ハイブリッド(欧州仕様)

しかも、新規顧客の獲得にも効果的だったようだ。現在のC-HRユーザーのうち、59%が他メーカーからの乗り換えだという。

そんな初代の成功は、仕上がりを見れば納得できる。シャープなスタイリングに、クーペ風のルーフラインをまとったクロスオーバーで、市場の嗜好をしっかり掴んでいた。個性的な見た目は、エッジの効いたファミリーカーを欲する若い世代を引き寄せた。

実際、トヨタによると、尖ったスタイリングが初代の成功の鍵だったことが市場調査で示されたとか。もちろん、2代目C-HRでも同じアプローチが取られただけでなく、その方向性は推し進められた。

フランスにあるトヨタのデザインスタジオで、新しいボディは描き出されている。開発責任者は、公道向けのショーカーを作ろうとした、とまで発言している。

ドラマチックな面構成 プリウス似のヘッドライト

果たして、2代目C-HRもかなり個性的。充分に印象的だった初代を、当たり障りのないモデルに見せてしまうほど。面構成はドラマチックで、柔らかなカーブとシャープなラインが混在している。

ヘッドライトは、新型トヨタ・プリウスに似たコの字の形状をしており、造形は複雑。フロントノーズの中央が前方へ突き出ているが、これを同社はハンマーヘッドと呼ぶ。ボディカラーは、上級トリムグレードを選択すると、大胆なツートーンも選べるという。

トヨタC-HR プラグイン・ハイブリッド(欧州仕様)
トヨタC-HR プラグイン・ハイブリッド(欧州仕様)

従来のC-HRで特徴といえたのが、リアドアのハンドルがCピラーと一体になり、目立たないよう処理されていたこと。だがユーザーからのフィードバックを踏まえ、従来的な位置へ戻されている。

それでもボディ面へ馴染むように、フラットに埋め込まれている。1度軽く押し込むと、握れるように飛び出てくる。

バンパーなどには、予め着色されたプラスティックを用いることで、塗装の必要性をなくしている。生産コストの削減だけでなく、製造時に排出されるCO2も大幅に軽減できるそうだ。

ボディサイズは、近年のモデルチェンジとしては珍しく、部分的に小さくなった。全長が35mm短くなり4360mm、全高は15mm縮んで1570mmとなる。しかし全幅は35mm膨らみ、1830mmある。トレッドは、広い方が操縦性が良くなることはご存知の通り。

20インチまで選べるアルミホイールも関係し、前面投影面積は増えている。だが、滑らかなデザインが貢献してか、空力性能は2%改善したという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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