屈託も忖度もナシ! 英編集部が7台を本音対談 2024年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー候補たち(1)

公開 : 2024.03.02 09:45

2024年の欧州COTY候補に選ばれた7台を、英国編集部が独自に評価 マツダCX-60やVW ID.7、トヨタ・プリウスも可能性はあった 屈託や忖度ナシの本音対談

2024年の欧州COTY候補へ選ばれた7台は?

今回の比較試乗は、AUTOCARがクルマを選んだわけではない。英国編集部が7台を用意するなら、BYDシールホンダCR-VキアEV9、ルーシッド・エア、ルノー・セニック E-テック、トヨタプリウスフォルクスワーゲンID.7という顔ぶれになるだろう。

しかし、凍える2月の早朝に並んだ7台は、シールとEV9、セニック E-テックの他に、BMW i5とトヨタC-HRボルボEX30プジョーE-3008という構成。これは、2024年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)のノミネート車両だ。

2024年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー候補7台
2024年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー候補7台

欧州COTYの候補は、各審査員が前年に運転した新モデルの中で、特に優れていると思う7台をチョイス。それを集計し、得票の多い7台へ絞るという手順で決まる。

AUTOCARも、1票を投じる権利が与えられている。欧州22か国から寄せられる58票の一角をなすにすぎないが、この選出へ関われることは誇らしい。

2024年の審査員が選んだ欧州COTYの候補は、いずれも優れた内容を備えるが、1番の強みとは? そこで今日は先入観を抜きに、英国編集部の独断で評価してみようと思う。これをお読みになる頃には、正式に2024年のベストが決定しているはずだが。

マツダCX-60やVW ID.7も可能性はあった

欧州COTYの候補車両となるには、新モデルであることが必要。フェイスリフトは対象外で、例えば、サルーンの翌年に追加されたステーションワゴンも、候補になれない。

評価基準は「全般的なデザインと快適性、安全性、経済性、操縦性と全般的な走行性能、動力性能、機能性、環境負荷、ドライバーの満足度、価格」と幅広い。技術的な革新性と、コストパフォーマンスも重視される。しっかり、実際の市場を向いている。

ダークグレーのルノー・セニック E-テックと、シルバーのキアEV9
ダークグレーのルノー・セニック E-テックと、シルバーのキアEV9

今回の比較試乗で意見を交わしたのは、同僚のマット・ソーンダース(以下:MS)と、筆者、マーク・ティショー(MT)の2人。ちなみに自分は、2024年の欧州COTYでは審査員の1人としてご指名いただいている。

フリーの寄稿者、アンドリュー・フランケルとヴィッキー・パロットにも、ご意見番として加わってもらった。それでは早速、屈託も忖度もない、AUTOCARの評価をお読みいただこう。

MS:「ぱっと見は、バリエーションがかなり豊かですね。トラディショナルなサルーンが2台に、大小のSUVとクロスオーバー。面白いラインナップだと思います。個人的には、キアEV9が含まれたことがうれしい」

「ルノーにも期待したい。わたしなら、BMW i5ではなく、フォルクスワーゲンID.7を選んだでしょう。フィスカー・オーシャンとテスラモデル3も加えたいところですが、トヨタC-HRも同じくらい新鮮なモデルです」

「エンジンが主力の時代なら、マツダCX-60のディーゼルにもチャンスがあったと思います。プジョーE-3008は、得点を伸ばすのではないでしょうか」

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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