「鉄仮面」に惑わされるな!? ヒョンデの末弟「コナ」は、小さくてもハイレベルの実力派

公開 : 2024.04.12 11:05

誰でもすぐになじめるクセのない使い勝手

ステアリングコラムの右側に生えた太めのシフトレバーを回し走りはじめる。その際の室内が静かなことは言うまでもないが、フラットな姿勢を保ちAWDモデルのように加速していく雰囲気も床下バッテリーで重心の低いBEVならではといえるだろう。

スロットルの踏みはじめから最大に近いパワーが提供されるBEVなので、204psという最高出力は必要にして充分。今回は1名乗車だったが、もしフル乗車、荷物満載だったとしたら、内燃機モデルに対するアドバンテージはかなり大きくなると思う。

車格に対して若干大きめな19インチタイヤとコイルスプリングによる乗り心地もしっとりと柔らかめな感じで、この手のクロスオーバーSUVのお手本のよう。その感覚は高速道路に合流し、少しペースを上げてみても変わらなかった。またステアリングパドルで回生の設定を素早く選べるのもいい。

左のステアリングスポーク上に集約されたACCの操作系は直感的に扱うことができるものだった。また高速道路におけるレーンキーピングアシストの性能も信用に足るものだと感じられた。メーターパネル中央に映し出されたADAS関係の表示もわかりやすい。

以前、ネッソとアイオニック5は試乗しているが、それでもまだヒョンデ・ブランドの雰囲気をちゃんと理解できているわけではなかった。だが今回、最新モデルのコナをドライブしたことで、動的にも静的にも「ヨーロッパ車に通じるクセのない質感」なのだというイメージが出来上がってきたのだった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

ヒョンデ コナとアイオニック5に一気乗りするチャンス

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事