インタビュー、本田博俊 ホンダ「無限」創業者 「大きな会社」や電動化への思い

2018.07.29

ホンダで働いたことはない

本田は伝説の経営者、宗一郎の息子だ。宗一郎が自分とご近所さん用に非力なオートバイを作ったのが、クルマとオートバイの帝国、ホンダの始まりである。1948年のことだ。しかし、本田は最大の株主であるにもかかわらず、およそ世界的大企業の相続人らしからぬ人物である。

直接ホンダで働いたことはまったくないし、父親の会社から独立するという強い志をもって20代後半に無限を立ち上げたのだ。彼の持っているホンダ製品は芝刈り機とモンキーバイクだけだ。東京ではBMWのi3に乗り、ホンダへの入社の誘いは丁重に断っている。

「地位とか身分とかは気にしません」と彼は言う。「そういうことにまったく関心がないんですよ」

「若いときは父の会社に入ることなど考えずに育ちました」と本田は言う。「父は同族会社に入って大きな間違いを犯す子どもたちをたくさん見てきたので、自分のところでは禁止したんです。これは幸運でした。どうしても会社に入りたくなかったからです。旅がしたくて、世界中を廻りました。自分の夢を追っていた父はわたしに自由というものを教えてくれたんです」

博俊はクルマやオートバイ、特にレースへの情熱をほとんど生まれつき持っていた。しかし若いころの彼はイライラして「ほぼ毎日」父親に反抗し、クルマのヒントを探して世界中を放浪して廻った。

特にイタリアのデザインが好きだったので、イタリアに行って有名なピニンファリーナ、ベルトーネ、ジウジアーロを訪ね、エンツォ・フェラーリにも会った。それでも彼は、自身のデザインによるホンダS800ベースのスポーツカーを製作するかたわら、何とか大学も卒業した。

 
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