2024年版 世界をリードする高級EV 10選 「静か+速い」最先端の移動体験

公開 : 2024.04.13 18:05

6. アウディQ8 eトロン・クワトロ

長所:素材の質感、運転のしやすさ、優れたパフォーマンス
短所:特にスポーティではない、乗り心地が落ち着かないことがある、インテリアに魂がこもっていない

アウディのさまざまな特性を凝縮した、同社初の量産EVであるQ8 eトロン・クワトロ。当初は単に「eトロン」という名称で販売されていたが、2022年末のマイナーチェンジで現在のQ8 eトロンに変更された。

6. アウディQ8 eトロン・クワトロ/Q8スポーツバックeトロン・クワトロ/SQ8 eトロン・クワトロ
6. アウディQ8 eトロン・クワトロ/Q8スポーツバックeトロン・クワトロ/SQ8 eトロン・クワトロ

エントリーグレードの「50」には89kWh、「55」およびSQ8 eトロンには106kWhのバッテリーが搭載されている。航続距離は前者で450km、後者で530kmを謳う。

アウディらしい上品で洗練された雰囲気を保ちつつ、静かな巡航能力と高い質感を併せ持っている。ドライビング・エクスペリエンスも印象的で、特に高速走行時のレスポンスの良さと力強いフィーリング、そして正確なハンドリングがその完成度を高めている。なおかつ、乗り心地の良さが高級車としての風格を強めていることは間違いない。エアサスペンションは、荒れた路面の凹凸を楽々と静かに吸収してくれる。

標準のQ8 eトロンは、ライバル車ほどドライビングの魅力はないものの、優れたラグジュアリーカーに仕上がっている。ドライビングを求めるなら最高出力503psのSQ8 eトロンだ。合計3基の電気モーターを使用する贅沢なドライブトレインにより、遊び心あるハンドリングと、ドライバーとの近い距離感を実現している。

価格は10万ポンド(約1900万円)近くと高価だが、速さ、華麗さ、そして電動SUVを面白おかしく走らせるという斬新な要素を考えれば、それだけの価値があるかもしれない。

7. ジャガーIペイス

長所:革新的なデザイン、魅力的なハンドリング、シームレスなパフォーマンス
短所:充電速度の遅さ、航続距離の短さ、電費(効率性)の悪さ

テスラの台頭に対し、電動SUVで戦いを挑んだ最初の大手メーカーがジャガーである。同社初の量産EVであるIペイスは、卓越したハンドリング性能、上質なインテリア、魅力的かつ革新的なデザインを備えている。

7. ジャガーIペイス
7. ジャガーIペイス

最高出力200psのツインモーターを使用しながら、乗り心地とハンドリングのクラス水準を確立。足かせを外された肉食獣が如く、高級EVのあるべき姿を体現しているように感じられる。

しかし、発売から5年以上経っていることもあってか、急速充電は100kWまでしか対応できず、実走行での航続距離も約350kmとやや期待外れで、長距離ツアラーとしては使いにくい。また、車載の充電ソフトウェアはバグが発生しやすい。新しいライバル車を見ると、相対的な古さは否めない。

もし、公共の急速充電設備にほとんど頼らず、また長距離を走る機会が少ないのであれば、真っ先に検討してもいい。運転が楽しいだけでなく、見た目にもワクワクさせてくれる魅力的なクルマだ。

記事に関わった人々

  • マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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