2024年版 世界をリードする高級EV 10選 「静か+速い」最先端の移動体験

公開 : 2024.04.13 18:05

静かに、快適に移動できる「最先端」の高級EV。パフォーマンスや航続距離、インテリアの質感などで世界をリードする10台を紹介。伝統ある欧州車メーカーだけでなく、米国や韓国のブランドも取り上げている。

時代の先端を行く電動ラグジュアリーカー

快適性、機能性、高級感、動力性能などさまざまな観点から、「高級車」と呼ぶにふさわしい10台のEVを紹介する。

高級車とEVは、相性の良い組み合わせだと思う。約10年前にテスラモデルSが示したように、速さ、快適性、エレガンスを融合させ、先進的なパッケージにまとめることができるためだ。

高級車として完成度の高いEVを10台取り上げる。
高級車として完成度の高いEVを10台取り上げる。

今ではアウディBMWメルセデス・ベンツをはじめ、誰もが耳にしたことのある高級車ブランドが揃って参入している。

もちろん、EV用バッテリーなどはまだまだ高価であり、十分な性能を引き出すためには相応のコストがかかってしまう。EVに高級モデルが多いのは、そうした側面もあるためだろう。

しかし、競争が激しいのは事実で、先進性を全面に打ち出すものや高性能をアピールするものなど、バリエーションはかなり豊かになってきた。ここで一度、世界トップクラスの高級EVを振り返ってみよう。

1. BMW i7

長所:インテリアの豪華さ、強力な電動パワートレイン、乗り心地とハンドリングの見事な調和
短所:挑戦的な外観、実走行での航続距離は480km未満、特に手頃な価格ではない

BMWのフラッグシップモデルである7シリーズは、最新の第7世代でEV仕様のi7が加わった。注目すべきは、高級車として正鵠を得たものであり、メルセデス・ベンツSクラスを退けるほどの力を秘めているという点だ。

1. BMW i7
1. BMW i7

7シリーズ全体に言えることだが、このエクステリアデザインは良くも悪くも人目を集める。筆者の個人的な感想としては、正直、エレガントでもなければ特に魅力的というわけでもない。とはいえ、実車を見て気に入る人もいるはずだし、目立ちたい人にとっては好都合かもしれない。

幸いなことに、インテリアは美しく作り込まれたディテールや高機能な車載システムが印象的である。上質な素材が使われており、ダッシュボード上部のディスプレイはBMW独自の「iドライブ」コントローラーで操作することができる。後部座席には、Bowers & Wilkinsの高級サウンドシステムと合わせて動画コンテンツなどを提供する、ドロップダウン式31.3インチ・ディスプレイが用意されている(オプション)。

これまでの7シリーズと同様、i7の走りはとても良い。車両重量約2800kgとヘビー級だが、四輪操舵(AWS)と四輪駆動(AWD)のおかげで正確なハンドリングと安定性を備えており、驚くほど運転しやすい。それでいて、素晴らしい乗り心地と快適性を実現している。これは「駆けぬける歓び」と同時に極上の快適空間を作ることに全力を注いだBMWのエンジニアたちの努力の賜物である。

最高出力455psからと十分なパフォーマンスを発揮し、105kWhのバッテリーで最長590km~625km(WLTP)の航続距離を持つ。最大195kWで急速充電により、最適な条件下ではわずか10分で170km分のエネルギーを補給できる。

ただし、弊誌のテストでは、実走行での航続距離は425km前後にとどまった。この点はもう少し改善を期待したいところだし、外観についてもやはり受け入れにくいところがある。決してパーフェクトな仕上がりではないが、それでも「7シリーズ」という銘板に泥を塗るようなこともなく、高級感あふれるインテリアとBMWらしい走りで乗る者を魅了してくれる。今のところ、ベストな高級EVである。

記事に関わった人々

  • マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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