ルノー、高性能クーペ『8ゴルディーニ』量産化を検討 ラリーの伝統に着想得たレトロなスポーツカーが「選択肢の1つ」に

公開 : 2026.10.16 11:45

親しまれた乗用車へのオマージュ

初代8はエンジンを後部に搭載した4人乗りセダンだが、このコンセプトカーは2人乗りクーペで、全長4120mmと『クリオ』(日本名:ルーテシア)よりわずかに長い。フロントに19インチ、リアに20インチのホイールを装着し、ショーカーではあるが、270psの電気モーターを搭載しているという。

コンセプトカーとして8を復活させた理由について尋ねられたゴーヴァン氏は、「このクルマは、他のモデルに比べてあまり知られていませんが、非常に意義深いものです。ルノー8は非常に誠実なクルマでした。そのセグメントで最もパワフルなクルマや最も高価なクルマになろうとはせず、多くのブランドが活かしきれていないような親しみやすい価値を持っていました」と語った。

ルノー8ゴルディーニ・コンセプト
ルノー8ゴルディーニ・コンセプト    ルノー

スタイリング面では、初代モデルの特徴的な丸型ヘッドライトを継承しているほか、ゴルディーニ版のラリーの歴史を彷彿とさせる下部スポットライトも備えている。また、ゴルディーニの伝統的な青と白のカラーリングに加え、レーシングストライプも施されている。

リアでは、テールランプがボディに一体化されており、電源オフの状態では見えなくなる。ルノーは、この技術が将来の量産車にも採用される可能性があると主張している。

レーシングカーのようなインテリア

インテリアはモータースポーツから着想を得ており、バケットシートや、円形デジタルメーター付きのアルミ製ダッシュボードが採用されている。アルミ製のセンターコンソールには多数のトグルスイッチが配置され、その他にも複数の物理ボタンが設けられている。助手席側の足元にはラリー仕様のフットプレートもある。

量産車に採用される可能性のある要素に尋ねられたゴーヴァン氏は、「ダイナミックでありながら攻撃的ではないというバランスを見出せたと思います。このバランスは、将来のルノー車への採用が非常に興味深い点です。まさにルノーらしい要素です」と答えた。

ルノー8ゴルディーニ・コンセプト
ルノー8ゴルディーニ・コンセプト    ルノー

ゴーヴァン氏は、将来のモデルに関連性のある技術の1つとして「消えるリアライト」を挙げ、次のように付け加えた。

「エンジニアリングチームと協力して、その解決策を模索していくつもりです。(量産化は)可能ですが、実現可能性を徹底的に検証する必要があります。しかし、問題を提起し、それを解決していくことこそが、わたしの仕事の醍醐味です」

「エンジニアには解決すべき課題が必要です。コンセプトカーのクリエイターとして、わたし達は課題を抱えた奇抜なアイデアを考案します。そうすることで彼らには取り組むべき課題が生まれるのです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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