ルノー、高性能クーペ『8ゴルディーニ』量産化を検討 ラリーの伝統に着想得たレトロなスポーツカーが「選択肢の1つ」に

公開 : 2026.10.16 11:45

ルノーは、高瀬能ハッチバック『5ターボ3E』の後継モデルとして『8ゴルディーニ・コンセプト』の量産化を検討しています。ラリーにインスパイアされたレトロなクーペが、製品戦略における「選択肢になり得る」とのこと。

5ターボ3Eの次なる限定生産モデル?

ルノーは、新型のコンセプトカー『8ゴルディーニ(8 Gordini)』をベースにした限定生産のスポーツカーを投入する可能性がある。ファブリス・カンボリーブCEOが明らかにした。

実現すれば、ハッチバック『5ターボ3E』に続く高性能モデルとなる。5ターボ3Eは、アルピーヌの次期A110向けに開発されたアルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム(APP)をベースに、合計出力540psを発生する特注のインホイールモーターを搭載している。

パリ・モーターショーで公開されたルノー8ゴルディーニ・コンセプト
パリ・モーターショーで公開されたルノー8ゴルディーニ・コンセプト    AUTOCAR

2028年に生産開始予定の5ターボ3Eは、1980台限定で、価格は約13万5000ポンド(約2820万円)からとなる。

パリ・モーターショーに展示された8ゴルディーニは、ルノーのクラシックなセダンを2ドア・クーペとして復活させたコンセプトカーであり、そのスタイリングは伝説的なチューナー、ゴルディーニへのオマージュとなっている。

スポーティで魅了あふれるEVを目指して

カンボリーブ氏は次のように語っている。

「R5ターボ3Eを通じて、ルノーにはEVでもスポーティで楽しいクルマを作れる能力があることを示したかった。そしてゴルディーニにおいても、わたし達は感情に訴えかけ、スポーティで魅力あふれるEVを作れることを示しいと考えました。誰も『ああ、EVか。このクルマは好きじゃない』とは言いませんでした」

パリ・モーターショーで公開されたルノー8ゴルディーニ・コンセプト
パリ・モーターショーで公開されたルノー8ゴルディーニ・コンセプト    AUTOCAR

「率直に言えば、ゴルディーニの伝統を継承する上で、EVへの移行は大きな変化です。では、それは将来にとって何を意味するのか? わたし達は将来、EVならではの運転の楽しさに焦点を当てたスポーツカーを少量生産できるという自信を持たなければならないということです」

AUTOCARの取材で、8ゴルディーニが5ターボ3Eに続き、APPベースの限定生産モデルとして登場する可能性について尋ねられたカンボリーブ氏は、「まずはR5ターボ3Eを販売し、最初の車両を納車しなければなりません。ターボ3Eの後に、ゴルディーニが選択肢の1つとなる可能性があります」と答えた。

名門チューナー、ゴルディーニの名が復活

8ゴルディーニは、1962年にデビューした人気セダン『8』を現代的に再解釈したもので、アレクサンドル・マルヴァル氏が新たにデザイン責任者に就任して以来、初めての作品となる。同時に、チューニングを施したルノー車でレースやラリーで成功を収め、後にルノー・スポールの傘下となった高性能ブランド、ゴルディーニを称えるものでもある。

このコンセプトカーには、将来量産モデルに採用される可能性のあるデザイン要素が散りばめられているが、ルノーはあくまで1台限りのワンオフ車であり、最終的には8が当時生産されていたフランス・フリンにある博物館に展示される予定だと強調している。

パリ・モーターショーで公開されたルノー8ゴルディーニ・コンセプト
パリ・モーターショーで公開されたルノー8ゴルディーニ・コンセプト    AUTOCAR

ルノーのコンセプトカー責任者ロマン・ゴーヴァン氏は、「初代8は極めて質素なクルマで、いわば労働者階級のヒーローのような存在でした。このコンセプトカーでも、その誠実さを残したかった。幅2mもある、1000psのマシンではありません。今でも親しみやすく、見る人を笑顔にさせるクルマです」と語っている。

「スポーツカーブランドとの差別化を図る上で、わたし達にとって重要な要素は『楽しさ』です。ニュルブルクリンクのラップタイムを0.5秒短縮するようなクルマを設計したいわけではありません。このクルマは楽しく、コンパクトで、機敏で、軽快なのです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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