サード・シートの出し入れするたびにセカンドをタンブルアップする必要があるものの、収納時はシートの存在を忘れてるくらいに見事に隠れる。

これも “先代シエンタ・ユーザーの大半が、普段は5人乗りの大容量ハッチバックとして使っている” というリサーチ結果によるものだ。

ただ、今回はその収納機構を斜めにダイブ・インする新方式にあらためたことで、サードシート幅を飛躍的に広げたことを売りとする。

パワートレインは予想どおり、おなじみの1.5ℓ(ただし、エンジンもCVTも先代とは別物)に、アクアなどと共通のハイブリッドを加えた2本立て。

ハイブリッドの動力バッテリーを2列目レッグスペース床下に搭載としたことで、パワートレインによる室内空間のちがいは皆無である。

■どんな感じ?

前記のとおり、シート・アレンジは先代を踏襲するものの、サード・シート空間の拡大は顕著である。

まるでマイクロ・バスの補助席のようだった先代のそれと比較して、新型は左右2脚が密着した自動車シートらしい形状になり、座り心地も飛躍的に上がった。

大人7人のロング・ドライブにうってつけ……とまではいわないが、2列目スライドを融通すれば、身長175cm級の男性が身体のどこも当てることなくフル乗車できるのはたいしたものだ。

エクステリアのモチーフに合わせて、ダッシュボードも要所にステッチが入って、スポーツグッズのようなレザー縫い込みのオレンジ色ストライプが入る……のだが、じつはこれ、すべて一体成型のハード樹脂なのだ。