コイズ・ブレンハイム・オークション

●2015.07.11　2015.07.11 オックスフォード/イギリス イギリスを中心に開催するクルマ専門のオークショナーがコイズ・ケンジントンだ。派手さは無いが愛好家向けの車両が用意されてきた。先頃オックスフォードにあるブレンハイム・パレスで行われたオークションの結果を紹介しよう。  
このオークション・リザルトでコイズ・ケンジントンが行うオークションの結果をほとんど紹介してこなかったが、実は大きな理由があった。他のオークショナーはオークション終了から数日で結果が発表されるのだが、コイズでは数ヶ月後に発表されることが多いため紹介を見送ってきたのである。しかし、ここにきて結果が早めに発表されるようになってきたためご紹介する次第。なお写真の提供が無いため、リストだけのご紹介になることをご了承いただきたい。 オークション界を牽引するRMサザビースやボナムスに較べてコイズで用意される車両は地味目な傾向にある。しかし今回のブレンハイム・オークションは同社の旗艦オークションだけに、極め付けといえるモデルが用意された。なかでもイギリスのオークションだけにジャガーが勢力的に集められ、マークVからXJSコンバーチブルまでの28台が並んだ。またポルシェもトラクターから356、911が12台用意された。 ここで最高落札額を記録したのは、1956年型メルセデス・ベンツ300SLガルウイングで1億7668万円で落札され、フェラーリ365GTB/4 デイトナは新記録となる1億4624万円を記録して続いた。このデイトナはイギリスに最初にデリバリーされた右ハンドル仕様であることが評価されたことから上昇したもの。しかしイギリス以外のオークションに出品されていたら、ここまで上がらなかったと思われる。 最近価格が急上昇しているフェラーリ308だが、ここでは後期のインジェクション・モデルだったためか1719万円の最低落札価格に届かず流れてしまった。一方で458スペチアーレはイギリスでも人気が高く、走行2000kmながら新車価格を上回る4313万円で落札されている。 このブレンハイム・オークションでは132台の4輪車が用意されたが、落札されたのは61台に留まり、成約率は46.2%と低調だった。全般的に言えるのは、実態無く値上がりした車両は見送られ、本当に価値がある（正当な価格）ものだけが落札されている。ちなみにACエース(1789万円)、アルファ・ロメオ・ジュリア・スプリント・スペチアーレ(1896万円)、長らく倉庫に入っていたアストン・マーティンDB Mk-IIIプロジェクト(2602万円)、ジャガー XK140 ドロップヘッド・クーペ(2153万円)、ジャガー Eタイプ・シリーズ1 3.8? セミライトウェイト(4249万円)、ランボルギーニ・イスレロ S(3158万円)、メルセデス・ベンツ 190SL(2388万円)、ポルシェ911 73カレラ(8164万円)と、価値モノは相応の価格まで上昇している。 一方で1983年のモンテカルロ・ラリーを制したランチア・ラリーのワークス・グループBカーの落札額が注目されたが、最低落札額（未発表）が高かったのか流札してしまった。ラリーカーはあまり人気がないのかランチア・デルタ・インテグラーレ16Vとアウディ・クワトロのラリー・バージョンも落札されなかった。