2015年11月 自動車販売台数ランキング

2015.12.05

新車販売は11カ月連続でマイナス。軽自動車は全ブランドで前年を下回る

日本市場の多くの経済指標がなかなか上向かない昨今、新車販売も苦戦が続いている。自動車業界団体がまとめた2015年11月の全体での国内新車販売は、前年同月比6.6%減の38万8803台と11カ月連続でのマイナスを記録。カテゴリー別では、登録車が同0.3%増の23万9815台とかろうじて2カ月連続のプラスを達成したものの、軽自動車は同15.8%減の14万8988台と11カ月連続での前年割れとなった。市場動向について業界団体の関係者は「登録車はどうにかプラスとなったものの、駆け込み需要前のレベルにはまだまだ戻っていない。軽自動車は4月の増税の影響が長引いて、全ブランドで前年を下回ってしまった」と解説。今後については、「東京モーターショーで注目を集めた市販前提の新型車が12月以降、順次発売される予定なので、これらがどれだけ受注台数を伸ばすかが市場を活性化させるキーポイントになる」と分析した。

車名別ランキングでは、トヨタアクアが前年同月比7.8%減ながら1万5237台の販売を記録して8カ月連続でのトップとなる。続く第2位には、前月と同順位でホンダN-BOXが位置。第3位には前月から2ランクアップを果たしたダイハツタントが入った。トップ10を一覧すると、登録車は4車種で残り6車種が軽自動車。この比率になるのは3カ月ぶりである。

話題の新型車の成績も見ておこう。10月にマイナーチェンジを行った日産デイズは同10.8%増を記録して第4位にランクイン。7月に新型に切り替わったトヨタ・シエンタは同759.5%の大幅増を達成して第5位に、スポーツの発売を開始したダイハツ・キャストは9172台の販売を成し遂げて第6位に入る。10月に2ℓ直噴ターボエンジンを新搭載するなどのマイナーチェンジを実施したトヨタ・クラウンは同25.1%増を果たして第21位に位置。8月に全面改良したスズキソリオは同104.0%増で第24位に、4月に新型に移行したホンダ・ステップワゴンは同88.7%増で第26位に、ハイブリッドモデルの販売が堅調な日産エクストレイルは同17.0%増で第29位に、10月に一部改良を行ったスバルインプレッサは同135.8%増で第30位に入った。

2015年11月 車名別乗用車販売台数ランキング (日本自動車販売協会連合会発表)

メーカー モデル 台数
1 トヨタ アクア 15,237
2 トヨタ シエンタ 10,211
3 トヨタ ヴォクシー 8,856
4 トヨタ カローラ 8,449
5 ホンダ フィット 7,325
6 日産 ノート 6,458
7 トヨタ ヴィッツ 6,043
8 トヨタ プリウス 6,021
9 ホンダ ヴェゼル 5,131
10 トヨタ クラウン 4,950
11 トヨタ ノア 4,680
12 マツダ デミオ 4,540
13 スズキ ソリオ 4,313
14 トヨタ ハリアー 4,239
15 ホンダ ステップワゴン 4,073
16 ホンダ シャトル 4,027
17 日産 セレナ 3,802
18 日産 エクストレイル 3,798
19 スバル インプレッサ 3,765
20 トヨタ ヴェルファイア 3,696
21 トヨタ エスクァイア 3,559
22 トヨタ パッソ 3,425
23 トヨタ アルファード 3,374
24 ホンダ フリード 2,882
25 トヨタ ランドクルーザーW 2,728
26 スバル フォレスター 2,296
27 マツダ CX-3 2,088
28 トヨタ スペイド 1,982
29 マツダ アクセラ 1,863
30 マツダ CX-5 1,666

VWを筆頭に独ブランドが軒並み不調。新規登録台数は3カ月連続での前年割れ

輸入車の新車販売は、フォルクスワーゲンの排出ガス規制不正問題による逆風が続いている。外国メーカー車の新規登録台数は前年同月比7.9%減の2万1556台と、3カ月連続での前年割れ。日本メーカー車含でも同5.3%減の2万5156台にとどまった。市場の動きに関してJAIA関係者は、「フォルクスワーゲンと同グループのアウディの大幅な販売減に加えて、メルセデス・ベンツBMWの登録台数も伸び悩んだ。価格帯では、量販モデルがそろう400万円未満と400万円〜1000万円未満が落ち込んでいる。ディーゼル車への影響は、現状では限定的」と解説した。

外国メーカーのブランド別成績では、Cクラスなどの新型車販売が一巡して同9.1%減(4893台)となったものの、メルセデス・ベンツが首位を維持する。第2位には、ブランドイメージの低下によって同31.8%の大幅減(3638台)を記録したフォルクスワーゲンが位置。第3位には、同3.0%減(3500台)のBMWが入った。続く第4位には、同22.1%増(1961台)を成し遂げたBMWミニがランクイン。同23.1%の大幅減(1922台)となったアウディは、前月と同様に第5位にとどまった。また、前月までは不正問題の影響が小さかったVWグループ内のポルシェも、同3.3%減(527台)のマイナスに落ち込んだ。

トップ5以外では、ボルボが同11.9%増(1091台)、フィアットが同56.0%増(532台)、プジョーが同12.8%増(512台)、フォードが同47.6%増(437台)、マセラティが同17.0%増(165台)、ジャガーが同138.6%増(136台)、アバルトが41.5%増(116台)の好セールスを記録する。また、第3世代のリリースを開始したスマートは、同516.9%の大幅増(401台)を達成した。

2015年11月 車名別輸入車新規登録台数 (日本自動車輸入組合発表)

メーカー 11月 2015年累計
1 Mercedes-Benz 4,893 58,668
2 VW 3,638 50,234
3 BMW 3,500 40,730
4 Audi 1,922 26,942
5 Nissan 1,505 19,931
6 BMW MINI 1,961 18,555
7 Toyota 1,327 13,636
8 Volvo 1,109 12,020
9 Jeep 438 6,502
10 Porsche 527 5,851
11 Fiat 532 5,321
12 Peugeot 512 5,262
13 Renault 368 4,684
14 Ford 443 4,551
15 Mitsubishi 147 4,016
16 Land Rover 186 2,763
17 Suzuki 619 2,516
18 Alfa Romeo 111 2,150
19 Citroen 141 1,802
20 ABARTH 116 1,287
21 Maserati 165 1,272
22 Jaguar 136 1,188
23 DS 65 829
24 Cadillac 42 770
25 Chevrolet 67 733
26 Ferrari 38 684
27 smart 401 557
28 Chrysler 29 426
29 Lamborghini 26 339
30 Bentley 37 334
31 Dodge 14 267
32 BMW Alpina 22 262
33 Lotus 13 256
34 Rolls Royce 11 146
35 Aston Martin 8 145
36 Mclaren 11 77
37 Hyundai 12 68
38 GMC 2 49
39 Scania 6 44
40 Rover 4 42
41 Honda 2 35
42 Lancia 2 20
43 Autobianchi 2 10
44 MG 1 7
45 Unimog 1 7
46 Opel 1 4
Others 43 395
文・大貫直次郎

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