2016年11月 自動車販売台数ランキング

2016.12.06

11月の新車販売は3カ月ぶりにプラス。登録車は2年8カ月ぶりの2桁増を記録

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会がまとめた2016年11月の全体での国内新車販売は、前年同月比7.4%増の41万7592台と3カ月ぶりで前年実績を上回った。カテゴリー別では、登録車が同13.9%増の27万3042台と4カ月連続でのプラスで、しかも2014年3月以来の2桁増を達成する。一方で軽自動車は同3.0%減の14万4550台と23カ月連続での前年割れとなった。市場の動きについて業界団体の関係者は「登録車は新しいハイブリッドモデルを中心に引き続き販売が好調で、8メーカーの全社が数字を伸ばしている。とくに日産が前年同月比45.0%増、富士重工業が同24.9%増、ホンダが同16.8%増と好成績を残した。軽自動車は増税による影響が長引いているために全般的に不調。燃費データの不正問題の影響では、日産が同31.0%減と大きく落ち込み、一方で三菱自動車は関連団体や従業員などの買い支えもあって同31.0%増を記録した」と解説。今後の展開については「11月上旬からWebでの先行商談受付を開始したトヨタのCH-R、e-POWERを採用した日産のノート、独自のハイブリッドシステムを導入したスズキソリオなど、販売成績を上向かせそうなニューモデルが相次いで登場したので、年末商戦と合わせてこれらがどれくらいセールスを伸ばせるかが鍵。ただし、市場の購入意欲が依然として低調なため、楽観できない状況が続く」と分析した。

車名別ランキングでは大異変が起きた。首位に立ったのは、e-POWERと称する新電動パワートレインを搭載した新型HVを追加し、発売後約3週間の受注が月販目標の2倍となる2万台超を記録した日産ノートで、前年同月比144.4%増の1万5784台という販売台数を記録する。ノートの首位は2005年1月のデビュー以来で初めて。また、日産車が車名別でトップになるのは1986年9月の6代目サニー、通称“トラッド・サニー”以来、実に30年2カ月ぶりの快挙となった。第2位には前月と同様にホンダN-BOXが位置。9月に実施した一部改良などが功を奏し、同5.5%増の1万4813台を達成する。第3位には首位から攻落したものの、同121.4%増の1万3333台を販売したトヨタ・プリウスがランクイン。続く第4位には9月に発売した新感覚スタイルワゴンのキャンバスの販売が好調なダイハツ・ムーヴが、第5位には1ランクダウンでトヨタ・アクアが入った。トップ10を一覧すると、登録車は6車種で、残り4車種が軽自動車。この比率になるのは2カ月連続である。また、販売を再開した日産デイズは同28.0%減ながら7705台の販売を記録して第10位にランクイン。三菱eKは同46.2%増の4405台で第28位に入った。

注目のニューモデルの動きも見ておこう。発売1カ月で月販目標の4倍超となる約2万7000台の受注を記録した新型ホンダ・フリードは、同262.4%の大幅増で第7位にランクイン。発売1カ月で月販目標の2.5倍となる約2万台の受注を記録した新型日産セレナは、同91.8%増で第11位に位置する。4月にフルモデルチェンジしたトヨタ・パッソは同50.8%増で第22位に、7月にマイナーチェンジを実施したマツダアクセラは同23.2%増で第41位に、7月に新グレードのSTI Sportを追加したスバルレヴォーグは同55.2%増で第42位に入った。また、11月に発売を開始した新型トールワゴンのトヨタ・タンクは第39位、トヨタ・ルーミーは第40位のスタートとなった。

2016年11月 車名別乗用車販売台数ランキング (日本自動車販売協会連合会発表)

メーカー モデル 台数
1 日産 ノート 15,784
2 トヨタ プリウス 13,333
3 トヨタ アクア 12,409
4 トヨタ シエンタ 11,608
5 ホンダ フリード 10,445
6 トヨタ ヴォクシー 8,878
7 日産 セレナ 7,293
8 トヨタ カローラ 6,546
9 ホンダ フィット 6,333
10 トヨタ ノア 5,750
11 トヨタ ヴェルファイア 5,609
12 トヨタ パッソ 5,164
13 トヨタ ヴィッツ 5,145
14 マツダ デミオ 5,044
15 ホンダ ヴェゼル 4,591
16 トヨタ ハリアー 4,461
17 スズキ ソリオ 4,449
18 トヨタ アルファード 3,856
19 スバル インプレッサ 3,552
20 ホンダ ステップワゴン 3,347
21 日産 エクストレイル 3,313
22 スバル フォレスター 3,299
23 トヨタ クラウン 3,290
24 トヨタ エスクァイア 3,191
25 ホンダ シャトル 2,775
26 トヨタ タンク 2,663
27 トヨタ ルーミー 2,575
28 マツダ アクセラ 2,295
29 スバル レヴォーグ 2,114
30 マツダ CX-3 2,103

輸入車の新規登録台数は2桁増を継続。ブランド別ではBMWミニが4位に食い込む

輸入車の新車販売は回復基調が鮮明だ。11月の外国メーカー車の新規登録台数は前年同月比10.7%増の2万3865台と、8カ月連続でのプラスを記録。日本メーカー車含でも同8.5%増の2万7285台と前年超えを達成した。登録車に占める輸入車のシェアは8.7%と高いレベルをキープする。市況についてJAIA関係者は「輸入車販売は回復軌道に乗っている。とくにエコカー減税の対象となるディーゼル車の販売が堅調で、販売台数に占める割合は過去最高の20.7%を記録した。一方でフォルクスワーゲンアウディは、排出ガス不正問題の影響で苦戦が続いている。価格帯では400万円未満のクラスが再びマイナス(同7.9%減)となり、400万円以上のクラスは2桁の伸びを示した。今後は400万円未満の復調がキーポイントとなるだろう」と解説した。

外国メーカーのブランド別成績では、前年同月比5.7%増の5171台の新規登録を達成したメルセデス・ベンツが21カ月連続での首位に輝く。第2位には同25.3%増の4387台という単月で過去最高を記録したBMWが位置。第3位には同9.4%減(3295台)となったフォルクスワーゲンが入った。続く第4位には、同19.6%の2桁増(2346台)を成し遂げたBMWミニがランクイン。前月4位のアウディは、同18.6%増だったものの2279台にとどまって第5位に順位を下げた。

トップ5以外では、ボルボが前年同月比37.1%増(1496台)、ジープが同73.5%増(760台)、ポルシェが同7.6%増(567台)、プジョーが同3.5%増(530台)、ルノーが同15.8%増(426台)、ジャガーが同114.7%増(292台)、ランドローバーが同38.8%増(247台)、シトロエンが同58.9%増(224台)、アバルトが同18.1%増(137台)、DSが同20.0%増(78台)の好成績を記録する。いずれのブランドも新型車の設定や販売キャンペーンの強化などが成果を上げた。

2016年11月 車名別輸入車新規登録台数 (日本自動車輸入組合発表)

メーカー 11月 2016年累計
1 Mercedes-Benz 5,171 60,109
2 BMW 4,387 45,381
3 VW 3,295 43,053
4 Audi 2,279 25,729
5 BMW MINI 2,346 21,809
6 Volvo 1,496 12,861
7 Jeep 760 8,536
8 Peugeot 530 6,704
9 Porsche 567 6,287
10 Fiat 447 6,033
11 Renault 426 4,783
12 smart 407 3,952
13 Land Rover 247 2,827
14 Jaguar 292 2,516
15 Ford 30 2,110
16 Citroen 224 1,710
17 ABARTH 137 1,692
18 Alfa Romeo 110 1,583
19 Maserati 142 1,100
20 DS 78 1,002
21 Ferrari 38 603
22 Cadillac 49 540
23 Chevrolet 44 432
24 Lamborghini 31 359
25 Bentley 56 358
26 BMW Alpina 24 312
27 Dodge 29 278
28 Chrysler 12 255
29 Rolls Royce 22 200
30 Lotus 14 184
31 Aston Martin 14 167
32 Mclaren 25 159
33 Rover 4 39
34 GMC 4 19
35 Lancia 5 19
36 Autobianchi 3 11
37 MG 3 11
38 Buick 1 9
39 Hummer 1 9
40 Morgan 1 9
41 Hyundai 5
42 Pontiac 1 5
43 Bugatti 1 3
44 Maybach 3
45 PROTON 1 3
46 Detomaso 2
Others 29 286
合計 23,783 264,057
文・大貫直次郎

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