2017年2月の生産台数・販売状況 国産車、輸入車ともに好調

2017.03.07

2月の新車販売は4カ月連続での前年超え。登録車の新型車が市場を牽引する

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会がまとめた2017年2月の全体での国内新車販売は、前年同月比7.4%増の48万4721台と4カ月連続でプラスを達成した。カテゴリー別では、登録車が同13.4%増の31万2035台と7カ月連続での前年超え。一方で軽自動車は同2.0%減の17万2686台と2カ月連続での前年割れとなった。市況に関して業界団体の関係者は「登録車は各社の新型車が販売を牽引し、順調に成績を伸ばしている。2月単月で30万台を超えるのは、消費税増税前の2014年以来、3年ぶりだ。軽自動車は増税による影響が長引いているために前年割れを記録したものの、そのマイナス率は縮小傾向」と分析。今後の展開については「登録車は販売成績を上昇気流に乗せる新型車が相次いで市場に投入されているので、この効果がどれくらい続くかが鍵となる。軽自動車は新型に切り替わったスズキワゴンRの受注が好調に推移するなど、一部で回復の兆しが見えつつある。全般的には市場の購入意欲が依然として低調なために楽観できない状況は続くが、4月以降はプラスに転じる可能性も高い」と予測した。

車名別ランキングでは、ホンダN-BOXが前年同月比8.6%増の1万9429台を達成し、並みいる新型車を押しのけて3カ月連続での首位に就く。続く第2位には、1月に一部仕様を向上させた日産デイズが位置。第3位には2月にプラグインハイブリッド車を新型に切り替えたトヨタプリウスが、第4位には昨年11月にスマートアシストIIIの搭載など一部改良を行ったダイハツタントが入った。前月第2位の日産ノートは、同51.6%増ながら第5位にダウンする。トップ10を一覧すると、軽自動車は前月より1車種増えて5車種となり、残り5車種が登録車。この比率になるのは、5カ月ぶりである。

話題のニューモデルの動向を見ていこう。発売1カ月で月販目標の8倍となる約4万8000万台の受注を記録した新コンパクトSUVのトヨタCH-Rは第6位にランクイン。2月に新型に移行したスズキ・ワゴンRは前年同月比63.5%の大幅増で第7位に位置する。昨年9月に発売したキャンバスの販売が好調なダイハツ・ムーヴは同39.9%増で第9位に、昨年12月に一部仕様変更を行ったスズキ・スペーシアは同45.2%増で第11位に、昨年9月に新型に移行したホンダ・フリードは同213.9%の大幅増で第12位に、1月にハイブリッドモデルを追加するなど一部改良を実施したトヨタ・ヴィッツは同53.2%増で第15位に入った。また、新型トールワゴンのトヨタ・ルーミーは第20位、トヨタ・タンクは第24位に位置。第5世代に切り替わった新型スバルインプレッサは同58.0%増で第21位に、1月に全面改良して4代目に移行した新型スズキ・スイフトは同109.0%の大幅増で第33位に、2月の発売前の1カ月半の受注が月販目標の約3.8倍に達した新型マツダCX-5は第34位にランクインした。

2017年2月 車名別乗用車販売台数ランキング (日本自動車販売協会連合会発表)

メーカー モデル 台数
1 トヨタ プリウス 15,958
2 日産 ノート 14,859
3 トヨタ C-HR 12,985
4 トヨタ アクア 11,379
5 日産 セレナ 10,983
6 ホンダ フリード 10,341
7 トヨタ シエンタ 10,128
8 トヨタ ヴィッツ 8,475
9 トヨタ ヴォクシー 8,468
10 ホンダ フィット 8,201
11 トヨタ ルーミー 6,849
12 スバル インプレッサ 6,791
13 トヨタ カローラ 6,336
14 ホンダ ヴェゼル 6,293
15 トヨタ タンク 5,993
16 トヨタ ハリアー 5,968
17 日産 エクストレイル 5,909
18 トヨタ ヴェルファイア 5,527
19 トヨタ パッソ 5,242
20 マツダ デミオ 4,934
21 トヨタ ノア 4,764
22 スズキ スイフト 4,281
23 マツダ CX-5 4,121
24 トヨタ エスクァイア 3,965
25 トヨタ アルファード 3,832
26 ホンダ ステップワゴン 3,823
27 スズキ ソリオ 3,102
28 トヨタ クラウン 2,649
29 ホンダ シャトル 2,503
30 マツダ アクセラ 2,294

外国メーカー車の新規登録台数は11カ月連続でのプラス。日本メーカー車含では前年割れ

輸入車の新車販売は外国メーカー車と日本メーカー車で好不調が分かれた。1月の外国メーカー車の新規登録台数は前年同月比2.5%増の2万3376台と、11カ月連続での前年超えを達成。一方、日本メーカー車が同19.2%減の3642台と落ち込んだため、輸入車全体としては同1.1%減の2万7018台とマイナスに転じる。登録車に占める輸入車のシェアは7.5%と、堅調なレベルをキープした。市場の動きについてJAIA関係者は「日本メーカー車は新型車への過渡期ということもあって販売成績は苦戦中だが、外国メーカー車は順調に数字を伸ばしている。とくにエコカー減税の対象となるディーゼル車の人気が高く、登録台数に占める割合は21.2%に達した。排出ガス不正問題の影響で低迷が続いていたフォルクスワーゲンアウディの販売も回復基調にある。価格帯では400万円未満のクラスが同15.7%減と前年割れとなったものの、400万円以上のクラスは2桁の伸びを示した。今後は400万円未満の復調がキーポイントとなるだろう」と解説した。

外国メーカーのブランド別成績では、前年同月比0.6%増の5032台の新規登録を成し遂げたメルセデス・ベンツが24カ月連続での首位に輝く。続く第2位には同2.2%増の4173台をマークしたフォルクスワーゲンが位置。第3位には同5.1%増(3939台)でBMWが、第4位には同1.0%増(2048台)でアウディが入った。

ドイツ4強以外では、BMWミニが前年同月比10.7%増(1919台)、ボルボが同5.8%増(1219台)、ルノーが同33.5%増(653台)、ポルシェが同27.4%増(623台)、スマートが同7.8%増(402台)、ランドローバーが同12.5%増(297台)、ジャガーが同19.7%増(243台)、シトロエンが同23.9%増(192台)、アバルトが同51.2%増(186台)、マセラティが同45.3%増(109台)の好成績を記録する。いずれのブランドも新型車や特別仕様車の発売、販売キャンペーンの強化などが実を結んだ。

2017年2月 車名別輸入車新規登録台数 (日本自動車輸入組合発表)

メーカー 2月 2017年累計
1 Mercedes-Benz 5,034 9,196
2 VW 4,173 7,308
3 BMW 3,939 6,411
4 Audi 2,048 3,695
5 Nissan 1,637 3,337
6 BMW MINI 1,919 3,101
7 Toyota 1,213 2,357
8 Volvo 1,239 2,306
9 Jeep 638 1,189
10 Porsche 623 1,122
11 Renault 653 1,032
12 Peugeot 581 935
13 smart 402 879
14 Suzuki 416 845
15 Fiat 425 761
16 Mitsubishi 367 744
17 Land Rover 305 447
18 Jaguar 243 393
19 Citroen 192 345
20 ABARTH 186 291
21 Alfa Romeo 112 241
22 Maserati 109 202
23 DS 73 159
24 Ferrari 62 105
25 Chevrolet 42 75
26 Cadillac 38 69
27 Lamborghini 32 60
28 Dodge 32 55
29 BMW Alpina 30 52
30 Ford 20 51
31 Hyundai 37 44
32 Rolls Royce 14 41
33 Aston Martin 26 40
34 Lotus 23 39
35 Bentley 21 35
36 Mclaren 8 30
37 Scania 15 24
38 Chrysler 9 21
39 Honda 9 13
40 Rover 6 9
41 GMC 2 4
42 Lancia 1 4
43 Autobianchi 1 3
44 MG 1 2
45 Morgan 2
46 Bugatti 1 1
47 Buick 1
48 Detomaso 1 1
49 Maybach 1
50 Pontiac 1 1
51 Saab 1
52 Unimog 1 1
Others 58 112
合計 27,018 48,193
文・大貫直次郎

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