平チェカシリーズ 2017 第2戦

2017.07.08

GT500シリーズチャンピオン、“平チェカ” こと平手晃平さんの名を冠したカート大会が今アツい! ということで、記者を送り込んだAUTOCAR。そのイベントの正体は平チェカと一緒にカート三昧の贅沢な休日なのでした。

text & photo:Daisuke Ebisu (戎 大介)

近ごろ盛り上がっているカートイベント『平チェカシリーズ』とは?

今回、筆者が訪れたのは富士スピードウェイのほど近くにあるカートサーキット、オートパラダイス御殿場(apg)。2月に愛知県・石野サーキットにて開催された第1戦に続いて7月8日に第2戦目が開かれるというカートイベント『平チェカシリーズ』を取材するためだ。ちなみにイベント名の “平チェカ” とは、レースファンならご存知だろうが、昨年SUPER GTのGT500クラスでシリーズチャンピオンに輝いたレーシングドライバー、平手晃平さんのコト。しかしもはやひとりのレーサーのファンイベントにとどまらない盛り上がりを見せているということで、興味津々でお邪魔した。

この『平チェカシリーズ』、イベントの運営は平手さん自身が中心となり、彼のファミリーやレース仲間などがスタッフとしてサポートするというアットホームなもの。レンタルカートの使用によるイコールコンディション化や、4人一組でのチーム参加形式(もちろん平手さんもファンとチームを組んで参戦!)など、カートやサーキット初心者への敷居が低くなるように工夫されているのも特徴だ。

また、最初に抽選により各ヒートで使用するレンタルカートが決定されるため、ヒート毎に搭乗マシンとスタートグリッドが入れ替わるというトリッキーなルールも『平チェカシリーズ』独特のもの。参加者は自分のチームだけではなく、次に乗るマシンのチームも応援することで、自然と参加者同士の繋がりも生まれるという。そしてこの他に類を見ないシステムのおかげですべての参加者が上位入賞を狙え、初心者も楽しめるようになっているのも嬉しい。

サーキットを丸ごと1日借り切っての開催なので、朝から夕方まで、スプリントレース12本(1ヒート6周)に60分耐久が2本とタップリ走れて満足感が高いのも『平チェカシリーズ』ならでは。しかも昼食などのホスピタリティも充実していて、参加料は1チーム62,000円(一人あたり15,500円・保険料他込み)と、内容に対してきわめてリーズナブル。

さらには本シリーズには公式カメラマンとして、多くのメディアで活躍してきたレースフォトグラファーの大川浩伸さんが帯同、白熱の走りをドラマチックな一瞬として切り取ってくれる(写真はイベントの公式サイトで公開される)サービスまで付いてくるのだから、まさに至れり尽くせり。そんな熱意ある人々の手作りのイベントであるからこそ、平手さんのファンやサーキット走行を楽しんでいる層はもちろん、モータースポーツ初心者の参加も増え続けているのだろう。

GTチャンプからのおくりもの

正直なところこの平チェカシリーズ、ファンサービスとして考えてもあまりに商売っ気がない運営方針なので、その辺りを平手さんに訊ねてみた。

「確かにファンサービスとしての側面もありますが、サーキット用のクルマがなくても誰もが手軽に楽しめるレンタルカートを通じて、多くの方にモータースポーツの楽しさを知ってもらい、グラスルーツの拡大を図ることができればと考えています」

コース全体を見渡すことができるので、レース中の各マシンの戦略や駆け引きもわかりやすいので、モータースポーツを観戦する目を育むのにもカートは最適なんですよ。また、わたし自身のレースキャリアがカートから始まっているのですが、『平チェカシリーズ』という、これまでにないスタイルのイベントを提案することを通じて、わたしをこれまで育ててくれたカート界への恩返しをしたいという意図もあるんです」

日本の経済成長期に全国に広まったカート場の中には、続く不況とレース人口の減少で経営が大変なところも多いのが事実です。誰もが気軽に参加できて楽しめるという平チェカシリーズのようなスタイルが広まっていけば、従来とは異なる層を呼び込んでカート界、ひいてはモータースポーツ界を盛り立てることができるんじゃないかと。今は愛知県の石野サーキットと御殿場のapgだけの開催ですが、方々のカート場に平チェカシリーズが広まれば嬉しいです。わたしは可能な限り参加してみなさんと一緒に走りたいですね」

と展望を語ってくれた。まさにGTチャンプからのおくりものともいえるこのイベント、クルマ好きとしては今後の発展を期待したいところだ。

なお、今回の優勝チームは11月4日にapgで開催される最終戦『平チェカカップ2017』に無料招待されるという特典が付く(ちなみに2位、3位も参加費がディスカウントされる)。また、これを読んで参加したいという方はイベントの公式ウェブサイトをご覧いただきたい。

■平手晃平オフィシャルウェブサイト

■オートパラダイス御殿場

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