アストン マーティンV8シグネット 試乗 完全ワンオフ 常軌を逸した素晴らしいモデル

公開 : 2018.08.15 10:10

最高速274km/h 勇気が必要

その小さなボディにV8エンジンを詰め込んだことで、このシグネットは完全な2シーターとなっており、もともと4人乗りだったキャビンには、一対のレカロ製シートが設置されている。

インテリアには大量のカーボンファイバーが使用され、それはダッシュボードからドアパネルにまで及んでいる。さらに、このクルマにはヴァンテージの計器類とともに、トヨタ製シフトレバーに替えてアストンを象徴するR/N/Dのギアシフトボタンが、整然としたダッシュボード上に設置されている。

ハンドブレーキもアストン伝統のフライオフ式となるが、その場所はドアサイドではなく、シートとシートの間だ。


このクルマのエンジンサウンドはまさにV8のそれだが、この音に振り返ったひとびとは、筋肉増強剤を打たれたとはいえ、そのどう猛なサウンドには似合わないシグネットに、驚いた表情を見せることになる。

パフォーマンスは強力だ。アストンでは、ヴァンテージよりも250kg軽量なこのシグネットの0-97km/h加速は4.2秒であり、直線加速ではヴァンテージ同等だとしている。だが、このクルマで274km/hに達するとされている最高速に挑むには、相当の勇気が必要なのは間違いない。

加速も強烈で、ドナーとなったヴァンテージを彷彿とさせる。さらに、ヴァンテージ同様の手応えを返すステアリングとアクセル開度に応じた加速を見せるスロットルレスポンスも素晴らしいが、ギアボックスはギクシャクとして、ヴァンテージSに積まれていた時ほどのマナーを見せてはくれない。

これは開発チームも認めているとおり、極端に全長が短く、軽量でもあるシグネットでは、ギアボックスの調整が最大の難関のひとつであり、ステアリングホイールに設置されたパドル操作が速すぎると、動作が安定しなくなるのだという。

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