【なにこれ珍モデル】アストン マーティン・シグネット 実は正解? 環境規制と、小規模メーカーが生き残る道

公開 : 2020.09.14 07:20

アストン マーティン・シグネットは、トヨタIQをベースにした高級コンパクトカーでした。販売は振るわず、わずか2年で製造中止となりましたが、環境規制が強まる中、アイデア自体は正しかったのかもしれません。

もくじ

シグネットは何だったのか
どのメーカーにも小型車が必要?

シグネットは何だったのか

text:Jim Holder(ジム・ホルダー)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

アストン マーティン・シグネットを覚えているだろうか?

2011年に発売されたこの風変わりな3ドアハッチバックは、トヨタiQをベースにしていたが、価格は倍以上の3万ポンド(423万円)オーバー。

アストン マーティン・シグネット
アストン マーティン・シグネット

マーケティング担当者は、アストンのブランド力、スタイリング、豪華な内装を施すことで、価格に見合った価値があると判断したようだ。

生産台数は150台未満。2013年には、シグネットの生産は中止された。

当時のCEOであるウルリッヒ・ベズが率いるアストンは、寝不足で白昼夢でも見ていたのだろうか?それとも、本当はシグネットの思想は正しくて、単にタイミングを間違えてしまっただけなのだろうか?

もし生まれてくる時代を間違えただけだとしたら、10年後には別のメーカーが高級コンパクトカーを作っているのだろうか。

可能性はある。大量生産、低利益の小型車は、高級車やスポーツカーを作るメーカーにとって興味のない存在だろうが、業界に120年に一度の変革期が訪れている今、彼らには選択の余地がないのかもしれない。

どのメーカーにも小型車が必要?

今や、CAFE(企業別平均燃費基準)を達成しなければ、自動車メーカー各社は巨額の罰金を課せられ、利益を奪われることになるのだ。

最初のうちは、プラグイン・ハイブリッドでも目標を達成できるだろうが、最終的には誰もが完全EVを販売しなければならなくなるだろう。

1台だけ製造されたワンオフ・コンセプト「アストン マーティンV8シグネット」
1台だけ製造されたワンオフ・コンセプト「アストン マーティンV8シグネット」

EVの技術は、ダイナミクスや航続距離など顧客が求める性能を実現するため、十分なスピードで(あるいは安価に)開発されなければならない。市場の端にいるメーカーには特に緊急性が高い。

もしかしたら、規制を満たすために多額の費用をかけてコア製品の改良を試みるのではなく、むしろ大手メーカーが製造した大量生産の既製品を使って、急進的な新製品を発売する方が正解なのかもしれない。(シグネットのように)。

もしも、VW ID.3のMEBプラットフォームを使用する7万ポンド(988万円)のベイビー・ベントレーが生まれるとしたら、奇抜ながら魅力はある。

実現すれば、若いユーザーをはじめとして新たな利益を生むかもしれない。あるいは、仮にBMW i3をベースにロールス・ロイスのバッジをつけた10万ポンドのコンパクトSUVが誕生するとしたらどうだろうか。

個人的な願いとしては、シグネットも生まれ変わって欲しい。今復活するとしたら、スマート・フォーツーがベースになるのだろうか。

空想はいくらでも膨らむ。しかし、もしどこかのメーカーが実行に移したとしたら、アストン マーティン・シグネットのことを思い出してあげてほしい。

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