デザイナー、イアン・カラム ジャガー新時代の立役者 惜別の独占インタビュー

公開 : 2019.06.22 18:50

ひとりのデザイナーとして

予定では、車両撮影のあと、カラムに自らのキャリアと彼がデザインしたモデルについて、インタビューをすることにしていたのだが、カラムは即座に「彼の」クルマではないと言う。つまり、偉大なモデルを創り出すには、チーム全員の力が必要だということを忘れてはならないということだ。

カラムは今月末で退任するが、まさにその直後、待望のデザインスタジオがオープンする予定であり、彼はオープニングを飾るゲストとして招かれることになるだろう。

だが、カラムは完全にJLRから離れるわけではなく、JLRトップのラルフ・スペッツ博士と、もちろん、トムソンからの要望を受け、デザインコンサルタントとしてその関係は続く。

なによりも、カラムはふたたびひとりのデザイナーに戻ることを強く望んでおり(「みなさんが毎日取り組んでいるような仕事をやりたいのです」と、退任のニュースが明らかとなったタイミングで、彼は総勢500人のデザインチームに語りかけている)、自動車以外の分野でもその手腕を発揮したいと考えているようだ。


おそらく、その対象となるのは、時計やボート、旅行用グッズといったものになるだろう。さらに、ごく少数の志を同じくするひとびととともに、小規模なデザインビジネスを立ち上げることも視野に入れており、英国における「才能の宝庫」と考えられている、ミッドランズを拠点にするつもりのようだ。

そうしたビジネスが創り出すのは、4年前、カラムがクラシック・モーター・カーズとともに製作したジャガーMk2のようなカスタムモデルとなるだろう。

カラムは、アルミニウム製ボディを持つX350世代のXJサルーンをベースに、チョップドボディのXJクーペを生み出したいと考えており、彼が所有する程よくカスタマイズが施された1970年代製XJCに匹敵する、美しいモデルになるだろうと話している。

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