ボルボ新型V60 PHEV車に試乗 T6ツインエンジンAWDインスクリプション

公開 : 2019.08.25 21:10  更新 : 2021.10.11 13:51

新型ボルボV60に追加された「T6」に試乗。253psのエンジン、87psのモーターを持つPHEVモデルは、どんな走りをするのでしょうか。

どんなクルマ?

text: Motohiro Yamazaki(山崎元裕)
photo: Keisuke Maeda(前田恵介)

ボルボのミドルクラス・ワゴン、V60シリーズのラインナップに追加された、「T6ツインエンジンAWDインスクリプション」をドライブした。

ツインエンジンといっても、それにはもちろんいわゆる内燃機関のエンジンが2つ搭載されているわけではなく、これはエレクトリックモーターを備えるPHEVを示すボルボ流のネーミング。

V60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション
V60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション

ちなみに「インスクリプション」は上級グレードに共通して用いられるグレードで、対してスタンダードなグレードとしては「モメンタム」がある。

まずはそのメカニズムを簡単に解説しておこう。

搭載されるエンジンは1968ccの直列4気筒DOHCで、これにターボチャージャーとインタークーラーを組み合わせる。最高出力/最大トルクは、このエンジンのみでも186kW(253ps)/35.7kg-mという数字になる。

さらに最高出力で87psを発揮するエレクトリックモーターが搭載され、これが後輪を駆動する役割を担う。

そしてAWDが意味するところである4輪駆動の駆動方式を実現するのだ。

期待は2020年モデル

組み合わせられるミッションは8速AT。リチウムイオンバッテリーは96セルで、車体中央の低い位置に搭載され、重心高の低下に貢献している。

参考までに、ここまでに触れたスペックは、現在販売されている2019年モデルのもの。

V60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション
V60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション

まもなくセールスが開始されるという2020年モデルでは、バッテリー容量が若干拡大され、したがって満充電からのEV走行可能距離も45.1kmから48.2kmへと伸びるというインフォメーションがボルボからはある。

V60の基本骨格となっているのは、ボルボのミドサイズ以上に共通して用いられるSPA=スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー。
近年ほかのメーカーでも多く使用されるようになった、いわゆるモジュラー型のプラットフォームだが、その特長をうまく活用することで、ボルボは低コストで実に魅力的な造形を持つワゴン、いやボルボ流に表現するのならば、エステートをデザインすることに成功した。

後方に向かって滑らかに流れるルーフラインとウエストラインの流れ、そしてリアピラーとテールランプのコンビネーション。もちろんワゴンとしての機能性にもV60は十分に優れており、フラットなフロア面を持つラゲッジルームに象徴されるように、その使い勝手の良さはボルボの歴代ワゴンからの伝統だ。

記事に関わった人々

  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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